くらし 「一心一矢」颯のごとく海を野を駆け射よ真の一矢(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県肝付町
- 広報紙名 : 広報きもつき 2025年12月号
■流鏑馬
射手 近藤颯海真
後射手 武田創
10月19日、四十九所神社にて「高山流鏑馬」が行われました。「高山鏑馬はおよそ流」900年の歴史事を誇る伝統行です元は国家安泰、五。穀豊穣、悪疫退散を祈願する年占いで、現代でもこの願いが込められています。
狩衣装束にあやい笠を身にまとい、弓受けの儀によ神のり化身となった射手は、神馬とともに約330mの馬場を駆けけながら、合計抜9本の矢を射ます。全国的に成人の射手が多い流鏑馬ですが、高山流鏑馬は、毎年その年の中学2年生が射手を務めます。
今年の射手は、高山中学校2年生の近藤颯海真(そうし)君。後射手は昨年射手の高山中学校3年生の武田創(はじめ)君が務めました人の若き射手が、たくさんの人々の期待と願いを一身。二に受け、馬場を駆け抜けました。

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8月23日、近藤颯海真(そうし)君は流鏑馬保存会より正式に射手に任命されました。
颯海真君が900年以上の歴史を誇る高山流鏑馬の大舞台へ名乗りをあげたのは、2016年に射手を務めた兄(祐生璃(ゆうり)さん)の存在があります。
当時5歳の颯海真君は、兄の勇姿に憧れ当時の映像を何度も見て育ちました。その中で、兄(祐生璃さん)ができなかった最初の矢を「こもり矢」にすることを目標に射手として挑戦することに決めました。
※こもり矢とは…射った矢が的の中心の竹に当たること。とても縁起が良いとされている。

9月、颯海真君の挑戦がいよいよ始まりました。今年は、白毛が美しい新たな神馬「白流」号を迎えて、流鏑馬保存会や昨年射手の武田創(はじめ)君のサポートを受けながら、練習をスタートさせました。
宮之馬場での練習初日には落馬を経験しながらも、颯海真君は恐れることなく、約2か月の練習を経て射手として成長していきます。
本番2日前の10月17日、柏原海岸にて潮がけが執り行われました。この日は、快晴で射手を応援しようと家から沿道に出て、拍手を送る人々の姿がたくさん見られました。潮がけの神事では同級生が駆けつけ颯海真君が無事大役を務めることを皆で祈願しました。
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10月19日、ついに迎えた当日。
雨知らずの流鏑馬。多くの人が見守る中、凱旋パレードが始まりました。
町中を凱旋中、行く先々では、流鏑馬を一目見ようと待つ人たちが、一行を拍手や声援で激励しました。
奉納前に父の雅彦さんは、「射手は小さい頃からの夢。射手の事は全て兄が伝えてきた。馬も初めてだから一緒に頑張ってほしい」と話されました。
14時から始まった流鏑馬奉納。颯海真君は目標としていた最初の矢を的の中心に命中させ、見事「こもり矢」にしました。
その後は、相棒の「白流」号が尻がはねるなど落ち着かない様子をみせたため、颯海真君は「白流」号をなだめながらバランスを取り、落馬することなく、最後まで大役をやり遂げました。
流鏑馬の全ての神事を終え、颯海真君は「くやしい気持ちもあるけど、目標を達成できたのは良かった」と振り返り、兄の祐生璃さんは「自分の夢をかなえてかっこよかった」と弟を讃えました。
家族や保存会の皆さんと記念の写真を撮る頃には、表情も和らぎ、颯海真君はプレッシャーから解放された子どもらしい笑顔を見せてくれました。
写真提供:
・石川德美
・千歳弘人
