- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県南風原町
- 広報紙名 : 広報はえばる 令和7年12月号
■〈学芸員のひとりごと〉紙粘土鰹節削っちゃった事件
秋になると、小学校3年生が昔の暮らしと民具の学習で南風原文化センターを訪れ、館内はにぎやかになります。南風原文化センターはガラスケースが無い博物館。子どもたちは思う存分さわって、体験して、学びます。
先日見学した子たちが、職員に謝りに来ました。どうやら、展示物を壊したそうです。鰹節削り器の隣に展示していた紙粘土で再現した鰹節を、実際に削ってしまったとのこと。紙粘土なので修復不可能、粉々になってしまいました。
大人としては叱らなければならない場面なのかもしれませんが、実はちょっと嬉しかったのです。紙粘土鰹節を作った私としては、本物に見えたのかシメシメ…というのと、「削る」道具であることを子どもたちが自ら発見し、実際にやってみようという能動的な姿勢でいてくれたこと。
展示物は大切な資料。保全のためにさわるのを禁止するのは簡単ですが、それで学びが深まるでしょうか。地域の博物館として、資料を守りつつ、子どもたちに芽ばえた興味や関心を「削がない」展示を考えていきたいなと思いました。(前城)
〈南風原文化センターFacebook/Instagram11月8日投稿より再掲〉
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