文字サイズ
自治体の皆さまへ

≪特集≫きっと、陶芸を好きになる。(1)

5/19

北海道新得町

屈足地域の活性化を狙いとして、昭和58年12月に、町制施行50周年記念事業の一つとして、屈足緑町1丁目に生きがいセンター(現陶芸センター)が建設されました。
昭和59年4月に開館し、専門指導員、指導補助員の2人体制で陶芸講座がスタートしました。
現在、講座の開設期間は4月から12月までの9カ月間で、会場は陶芸センターと図書館裏にある陶芸センター分室の2会場で開かれ、時間帯も午前の部、午後の部、夜の部と幅広く開設されています。
作品を焼くため、センター内の電気窯3基が利用されているほか、滋賀県の信楽焼で使われている登り窯が屈足公園に建設されています。
焼き物には新得町ならではの特色を出すため、新得町内で取れる粘土を使用しているほか、ソバがらや薪ストーブの灰を入れた釉ゆうやく薬を使い、新得でしか出せない味わいのある作品が出来上がります。
出来上がった作品は、「しんとく焼き」として町の特産品にもなっております。

※釉薬…陶器の表面を覆うガラス質の膜のこと。制作する際に器の表面に釉薬をかけることを「釉がけ」と言います。

◆作品ができるまで~マグカップ編~
▽練り
土は水分量が表面と中央で均一になっていないため、まずは「荒練り」でざっくり土を練ります。その後、菊練りという方法で土の中に入った空気を抜いていきます。「菊練り三年」と言われることも多く、習得するためにはかなりの練習が必要です。

▽成形
作りたい器やデザインをイメージして成形します。写真は電動ろくろで成形しているところです。

▽乾燥(1)
成形後は土が乾いておらず、簡単に変形してしまうため、一度乾燥させます。

▽削り
適度に乾燥した後は、器の底の部分「高台」を形作る作業「削り」を行います。作品の底に粘土が分厚く残っていると手に持った時に重たく感じ、使いづらくなってしまうためです。

▽乾燥(2)
削り後、素焼き前に乾燥させます。

▽素焼き
800度くらいの温度で1度焼きます。この時、土が完全に乾いていないと焼いている最中に割れることがあるので充分に乾かすことが重要です。

▽絵付け、釉かけ
素焼き後に、絵や色をつけます。絵付けをしない場合は、そのまま釉薬をつけます。焼き上がった器の表面がすべすべしているのは釉薬をかけているからです。

▽本焼き
土の材質にもよりますが1200度~1300度の高温で焼くのが一般的です。

▽完成

◆やって楽しい、話して楽しい潜入!陶芸講座
○手づくり講座
教室に暖かい日差しが入る9時半ころ手づくり講座が始まります。取材日の受講生は6名で、教室の様子を見学させてもらいました。
「手を動かしながら、楽しくお話をするとボケ防止になるんです。」受講生の一人が言うように、地域のこと、生活のこと、家族のことなど、いろんな楽しいお話をしつつ、各々制作に取り組んでいました。
植木鉢、一輪挿しを制作している人もいれば、何を作ろうか考え中の人など、進捗はバラバラ。自分の好きなものを、好きなペースで制作できるのが手づくり講座の魅力です。

手づくり講座
日時:水曜日 9:30~正午
会場:陶芸センター(屈足)
定員:8名

○夜の陶芸講座
午後6時30分、夜の講座が始まります。取材日の受講生は4人で、作業内容も進み具合も人それぞれ。自分のペースで好きな作品を作ることができます。
4人全員が初心者で、土を練るところから練習し、電動ろくろを使って成形していましたが、なかなか思いどおりの形が出来ないとのこと。職員の田中さんは「力を一定に入れないと形は歪むし、上手くいかない。まずは綺麗な姿勢で行うことが大事ですね。」と言います。受講生は「納得できない。もう一回。」と何度も作り直していました。田中さんも最低限の助言はしつつ、受講生のチャレンジを見守っていました。

夜の陶芸講座
日時:火・木曜日 18:30~21:00
会場:陶芸センター(屈足)
定員:各8名

◆大変、だけどその達成感たるや 登り窯
しんとく焼きの特徴の一つである登り窯の窯焚きは毎年屈足公園で行われています。薪を燃料にして約50時間火を燃やし続け、陶芸作品を焼く行事です。この50時間は職員・受講生全員で協力し火の番をします。
登り窯では基本的に素焼き・釉がけをせずにそのまま焼き締めして焚きあげますので、独特の風合いが楽しめます。例年8月下旬に行われ、今年は8月22日に窯詰めを行い、25~27日まで窯焚き、9月1日に窯出しを行いました。

◆あなたの欲しいものが、きっとある 陶芸センターまつり
陶芸センターの文化祭として、陶芸および陶芸センターの活動を知っていただくために、例年11月に陶芸センターまつりを実施しており、今年は11月11・12日に行いました。陶芸作品の販売だけではなく、受講生の作品展示や、子供から大人まで楽しめる絵付け体験は毎年好評です。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU