天才絵師の作品蕨にあり ─No.95─
■暁斎筆 「応需暁斎楽画一地獄の文明開化」 1874年 沢村屋板 大判錦絵
明治4年(1871)に出された断髪令(だんぱつれい)が地獄にも及び、右奥では閻魔大王(えんまだいおう)が髷まげを切られようとしています。鬼たちも角(つの)は不用とばかりに、引っこ抜かれたり、切られたりしています。
閻魔の傍(かたわ)らには、三途(さんず)の川で亡者(もうじゃ)の衣類を剥はぎ取るという奪衣婆(だつえば)がドレス姿となり、閻魔を洋服に着替えさせようと準備しています。閻魔の所持品である笏(しゃく)や閻魔帳(えんまちょう)などは燃やされてしまいました。さすがの閻魔も、こうなっては今までのやり方はできず、明治の新しい世の中に慣れていくほかないようです。
本作品は現在の展覧会で御覧いただけます
河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい) 天保2年(1831)~明治22年(1889)
現在の茨城県古河市に生まれる。浮世絵や狩野派を学び、江戸・東京の庶民から人気を博す。明治9年、万国博覧会に肉筆画を出品。14年、内国勧業博覧会で日本画の最高賞受賞。娘の暁翠も日本画家。
■河鍋暁斎記念美術館開催中(24日まで)
企画展「『暁斎楽画』シリーズから150年 暁斎・暁翠戯画・風刺画の系譜」展
同時開催特別展「日本初のマンガ雑誌『絵新聞日本地』の世界」展
詳しい内容は館ホームページを御覧ください
開館:午前10時~午後4時
場所:南町4-36-4
休館:火・木曜日、26日~末日
入館料:一般600円、高校生・大学生500円、小・中学生300円、65歳以上500円
※65歳以上は年齢の分かる物、学生は学生証をご提示ください
詳細:同館
【電話】441・9780
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