6月3日に北海道利尻町において、令和6年度全国離島振興協議会通常総会が開催されました。斉藤国土交通大臣の代理として筒井智紀国土交通省国土政策局審議官、石原宏高自由民主党離島・半島特別委員会委員長、武部新自由民主党離島・半島特別委員会事務局長代理や、山本博公明党離島振興対策本部長、横山信一公明党離島振興対策副本部長、鈴木宗男参議院議員、鈴木直道北海道知事をはじめとする数多くの来賓の出席がありました。
この総会では、離島振興法関係五法の趣旨による「令和6年度全国離島振興協議会通常総会決議」や「離島交通政策の抜本拡充に関する特別決議」が議決され、今後は都道県支部・市町村提出議題とともに、関係省庁に対し要望してまいります。
また、今回は一部役員の改選があり、新たに荒木屋久島町長が会長に選任されましたので、私も引き続き副会長として上島町のみならず、全国の離島の先頭に立って離島の課題を解決できるよう取り組んでまいります。
さて、5月22日から23日にかけて、国の令和7年度予算の骨格となる「骨太の方針」策定に間に合うよう、上島町の現在と未来の課題をしっかりと網羅した上島町重要施策要望書を持参し、総務省・国交省・デジタル庁など各省庁25箇所42名、愛媛県選出国会議員等とお会いし陳情活動を行いました。
その内容は
(1)こども・子育て政策の支援について
(2)安心した出産・子育てができる環境整備について
(3)観光推進事業の支援について
(4)ゆめしま海道周遊観光の推進における道路施設整備について
(5)「島」と「海」を結ぶ賑わい空間施設の整備について
(6)離島留学制度への支援について
(7)移住・定住促進及び関係人口創出への支援について
(8)離島のDX推進等への支援について
(9)離島医療の充実について
(10)離島補助航路の指定緩和について
(11)離島における燃油類の格差是正について
(12)歴史文化遺産の調査と保存・活用について
(13)成年後見制度の利用推進について
であり、議長と副議長も同行していただきました。
今後は実施に向けて、さらなる要望活動を続けてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
続いて、第三セクターの令和5年度の運営状況ですが、株式会社いわぎ物産センターは、営業、製造部門とも物価高騰の影響を受け前年度より苦戦したものの、経費節減等に努め利益を確保することができました。
全体では、売上高1億4560万円であり、対前年比97・3%、当期純利益は約270万円となり、健全な経営に努めています。
次に株式会社いきなスポレクについてですが、スポレク職員の懸命な経営努力により、営業損益として過去10年で一番よい、約560万円の黒字を達成し、令和4年度に続き2年連続で安定した運営ができました。
しかし、現在でも前の経営陣が上島町と30年間の返済契約をしてしまった借入金が、未だ約2330万円残っている状況であり、これが経営の足枷になっておりますが、引き続き、利用促進、経費削減に努めてまいります。
さて、今回上程している一般会計補正予算についてですが、物価高騰の影響を受けている低所得世帯を支援する物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金事業として、本年度新たに住民税非課税か住民税均等割のみ課税となる世帯に対し、1世帯当たり10万円を給付いたします。
また、6月に始まる所得税と住民税計4万円の定額減税を、減税しきれない方へは調整給付金として、その差額を1万円単位で給付することが主な内容になっています。給付時期については、可能な限り速やかに給付開始できるよう対応してまいります。
結びに、愛媛新聞の5月24日版に、「平成の大合併」が始まった2003年を境とする、40年間で人口がどう変化したかという記事が掲載されています。
愛媛県全市町の人口が減少しているように、残念ながら上島町も同じ状況です。
しかし、合併前の20年間と合併後の20年間を比較すると、愛媛県内で唯一、旧弓削町と旧岩城村の増減差がいずれもプラスであり、減少が緩やかになっています。
これは、上島町の行政運営や方向性、将来計画が適正であるとの裏付けであり、何よりも町民の皆さんのご理解とご協力の賜物だと考えています。
皆さんは、昨年度の上島町への県外からの移住者は過去最高の57名(県内を含むと67名)であり、3年間で165名(県内を含むと189名)が上島町に移住していることをご存知でしょうか。
これは、6千人余りの上島町における移住者の占める割合で示すと2.7%となり、県都である松山市は1.6%であることから、小さな自治体である上島町に対する移住希望者の注目の高さ、そして移住定住支援の充実度がうかがえる結果です。
加えて、インバウンドのお客様が前年度比450%増の、1356人も上島町を訪れてくれているように、今後は町内地場産業の支援育成や福祉・教育政策の充実はもちろんですが、町外や海外からのお客様誘致などの観光や、移住・定住促進など、交流人口の増加と「実需拡大」を視野に行政運営を進めることが、上島町の歩むべき道であると考えています。
上島町長 上村俊之
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