■きのこ栽培について
きのこ類は、低カロリーながら栄養素を多く含んだ食材として知られています。スーパーに並んでいる多くのきのこ類のほとんどは、木屑を固めた菌床(きんしょう)による栽培が主流ですが、原木を使った栽培ができるキノコ類もあります。
家庭で栽培が可能な種類もあり、今回は原木を使ったきのこの栽培について解説します。
[1]原木の準備
きのこの原木栽培ができる樹種の一例を次表にまとめてみました(表参照)。きのこの原木は生木(なまき)では菌が成長しないので、あらかじめ切り倒して1~2カ月間乾燥後、扱いやすいように1mほどに切断して日陰でさらに乾燥させます。雑菌の繁殖防止のため原木はできるだけ土に触れないように気を付けます。(図1、写真1参照)。
◇表 キノコの原木栽培に適した樹種
凡例:
◎…適
○…可
[2]植菌の方法
きのこ類の種菌は、種駒(木片)やオガ菌(ボトル入り)の形状で市販されています。植菌(きのこ菌を木に植え付けること)の時期は、3月~4月頃に行います。
(1)シイタケ
種駒は切断した材木に縦15~20cm×横5~7cmの間隔で千鳥に9.3mm径のドリルで穴をあけて種駒を打ち込みます。種駒数は原木の切口直径の4倍を目安とし、シイタケ菌糸は縦方向に伸びやすいので列数が多くなるように植菌します(図2)。
(2)ヒラタケ(ホンシメジ)、ナメコ
原木を厚さ20cm程度に玉切りした木口に1cm程度の厚さにオガ菌を塗り付けてサンドイッチ状に3~5段に重ねていく方法です(図3)。植菌前にオガ菌1、鋸くず3、米ぬか1、水2の比率でよく混ぜて混合種菌を作っておくと効率よく植菌が行えます。ただし、最近、店頭でよく目にするブナシメジの原木栽培はできません。
[3]植菌後の管理
植菌後は、ほだ木(植菌した木)を1~2カ月程度、日の当たる林地や庭先ではコモをかけて仮伏せ(かりふせ)します。乾き過ぎないように時々散水するなど保湿をして菌糸の活着を図ります。その後、直射日光の当たらない風通しのよい雨の当たる林の中や樹木の下などにほだ木を並べて、本伏せ(ほんふせ)します(図4)。種駒を植菌したほだ木(シイタケ)は10月頃から立ててキノコが発生やすいように組み替えます。平ぬり植菌のほだ木は重ねたままでもきのこは生えますが、固着部をはがして1個づつ上部を数センチ残して土に埋める方法もあります。
[4]さいごに
自然が残る上島町だからこそ挑戦できる原木キノコ栽培です。ただし、イノシシが出没する場所では侵入防止対策を講じる必要があるので気を付けましょう。
※詳細は本紙をご覧ください
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