避難所は、被災者の生活場所の確保、支援物資の提供、生活再建のための情報が集まる拠点となるため、早期に開設する必要があります。まずは自分や家族を守れるように備えることが大切ですが、自分や家族だけではできないこともあり、避難所では地域住民との助け合いが必要です。また、大規模災害発生時は道路事情などにより、避難所運営担当者である市職員が避難所に参集できない場合もあります。
避難所に集まった住民自らが早期に避難所を開設できるように、ファーストミッションボックスを導入します。
※ファーストミッションボックスは、長野県飯田市と国崎信江氏(危機管理教育研究所代表)により考案されたものです。
■ファーストミッションボックスとは?
避難所について詳しく知らない人でも、避難所の開設ができるように、初めに(ファースト)やるべき任務(ミッション)を記載した手順書と、必要最低限の資器材が入った箱(ボックス)です。
経験や知識がなくても、箱を開けて手順書を読めば行動できるように、具体的な指示が分かりやすく書かれています。
「手順書通りに行動すれば市の職員を待たなくても避難所が開設できるね。」
▽ボックス本体(例)
※本紙をご参照ください。
▽ファーストミッションボックスの中身
サンプル
(地震災害)
ファーストミッションボックス手順書…役割ごとに指示された内容が書いてある手順書
+
メガホン、ベスト、ヘッドライト、折り畳み式ヘルメットなど
■なぜ必要?
災害発生時、行政の対応は多岐にわたり、発災直後は市などの行政機関や公的機関による「公助」が期待できないため、自分や家族の身は自分たちで守る「自助」と隣近所や地域の人たちがお互いに協力し助け合う「共助」が求められます。しかし、共助の中心である自主防災組織も発災直後は多くの役割があるため、避難所へすぐに駆けつけることができません。そのため、避難所の開設と運営は、住民自らが行っていく必要があります。
危機管理教育研究所 代表 国崎 信江氏
(ファーストミッションボックス考案者)
■ファーストミッションボックスの手順書を作りました!
令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震においても、道路が寸断され、多数の孤立集落が発生しました。支援の届かない集落では地域住民による「共助」がより一層求められます。本市では、避難所である小学校ごとの手順書を各学区で作成してもらうため、ファーストミッションボックスの考案者を講師に招き、各学区の代表者・市職員の避難所運営担当者を対象にワークショップを開催し、実働訓練と内容の検証を行いました。
また、手順書作成支援会を開催し、市内47の全市立小学校の手順書が完成しました。
■完成した手順書がこちら!
「分かりやすく書かれていていざというとき、あわてず行動できそうね。」
・表紙
[point1] 役割ごとに手順書が分かれている(本部長、安全班、トイレ班など)
・中面
[point2] 使用する資器材を写真で示している
[point3] 任務の内容が簡潔に書いてある
[point4] 周りの人によびかけるためのセリフが書いてある
[point5] 各小学校体育館の避難所のレイアウトが書いてある
※詳しくは本紙をご参照ください。
◆今後の取組み
地域住民と市職員が作成した手順書と資器材が入ったファーストミッションボックスを避難所である小学校体育館の入口前に配置します。住民自らがいち早く避難所を開設できるよう、引き続き実働訓練や手順書の更新を行っていきます。
問合せ:防災課
【電話】23-6712【FAX】23-6618
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