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市民病院発 ほのか診察室 シリーズ第187話

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愛知県新城市

■『食べる』を支える、ちょっとした工夫
高齢者に多い誤嚥性肺炎を予防するためのケアやちょっとした工夫を紹介します。加齢などで飲み込む力が低下すると、『誤嚥』を繰り返すことがあります。
(1)お口の中の汚れ
口臭、味覚の低下、肺炎を起こす原因になるため、口腔内保清が非常に大切です。
(2)食べる姿勢
椅子に座って食べる時は深く座って顎を引く姿勢がよいです。首が後ろに反って上向きになると、食べ物が気管に入りやすくなります。ベッドで食事をする時も顎を引き、枕などで調整しましょう。
食事介助の時は、同じ目線で食事介助をしましょう。本人より高い位置の介助では、本人が見上げる形になり、誤嚥しやすくなります。
(3)スプーンの大きさと位置
口の中にスプーンが入らないと、すすり食べをするようになってしまいます。すすり食べは、気管に入りやすいため危険です。舌の中央にスプーンを置くようにしましょう。
(4)飲み込みやすい工夫
水分にとろみを付けたり、あんかけにするなど、口の中でまとまると飲み込みやすくなります。飲み込みにくいものや酸味が強いもの、パサパサしたものなどには注意してください。
(5)食べる前の嚥下の準備体操
顔や首、肩の筋肉の緊張をほぐすためにゆっくり深呼吸を数回行い、首や肩を回します。口の体操は、ほっぺをふくらませたり、引っ込めたりします。大きく口を開け、舌を出したり引っ込めたり、舌を左右にも動かします。『パ・タ・カ・ラ』とゆっくり2~3回発声します。口をつぼめて息を強く吸い、冷たい息が喉にあたるようにします。最後にゆっくり深呼吸を行い、ごくんと唾液を飲み込んで喉の動きを確かめましょう。
(6)水分摂取と栄養
嚥下障害があると自発的な水分摂取が難しいため、身近な方が常に気を配りましょう。また、筋肉量が落ちた状態は、体力・免疫力の低下に関わってきます。日頃から、タンパク質を意識した食事を心がけましょう。
(7)お薬の飲み方
錠剤などはゼリーの中に埋めて飲むと良いです。粉薬もゼリーに混ぜて飲むと飲み込みやすくなります。

健康寿命の源は、日々の食事にあります。安全においしく、ムセを最小限に、『食べる』を楽しみましょう。

監修:市民病院5階病棟
ID:751376216(ほのか診察室)

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171

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