春日井郷土史研究会 稲垣
◆頓明(とんみょう)
「頓明」は、明知町西側の小牧との境付近にある地名で、現在の明知工業団地や東側の飛び地を含む比較的広い地域です。
かつて明知町付近の平地は、内津川の砂利を多く含んでいたため水田ができず、湧き水のある谷筋で稲作を行っていたといわれています。
「頓」という漢字には〝急に現れる〞という意味がありますが、谷筋という地形的な特徴から、日の出の後しばらく経ってから急に明るくなっていくその姿を捉えて「とんみょう(頓明)」と呼ばれるようになっていったのではないかと考えられます。
しかし、江戸期の村絵図には「とんびょう」と書かれているほか、地元でも昭和50年代頃までは「とんびょう」と呼ばれていました。また、明治初期に行われた県内の地名調査では、「とんめい」と振り仮名が振られていたという記録も残っており、地名の明確な由来や変遷の時期は分かっていません。
頓明:明知町西側
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