地域おこし協力隊の伊藤真紀(まき)が、山鹿の旬や気になったものを取材して発信します。
山鹿市は和栗生産量西日本一! 今回は、生産者の古川信義(のぶよし)さん(鹿北町)を取材しました。
■古川信義さん(70歳)
どんなに忙しい時でも、いつも優しく笑顔で対応してくださる古川さんは、22年前から会社勤めをしながら筑波(つくば)、銀寄(ぎんよせ)、利平(りへい)、丹沢(たんざわ)、美玖里(みくり)を中心に8種類のクリを栽培しています。最盛期には1日で250キログラムものクリを収穫し、ここ数年は利益が出る作物になってきたことに、さらにやりがいを感じているそうです。そして、誰よりもクリを愛してやまない古川さんは「やまがの和栗で生産量日本一を目指します!」と、力強く語ってくれました。
▽年間スケジュール(月)
▽古川さんの1日(最盛期)
・落下しているイガ付きのクリを収穫します
・機械でむけないイガは手でむきます
・虫食いや傷んでいるクリを取り除きます
・機械で鬼皮をむき、少し残る渋皮は手でむきます
■斜面での除草と鳥獣対策
斜面にクリを植えているところが多く、登っては下りてを繰り返しながら除草しなければなりません。また、イノシシなどによる被害もあるので、クリ畑の周囲全て(約4キロメートル)を柵で囲ったり、わなを仕掛けたりしています。
■工夫を凝らした栽培と収穫
剪定などの作業がしやすいよう、また、まんべんなく枝葉に日光が当たるよう低樹高栽培をしています。斜面での収穫はシートを敷き、落下したクリが傾斜により自動的に下に集まるように工夫しています。
■猛暑と台風10号の影響
猛暑の影響により、クリの木1本についている実の数が、例年に比べて少ないように感じます。台風10号の影響はなかったのでホッとしています。
■おいしいクリの見分け方
全体にツヤがあり、今にも鬼皮が割れそうなくらい、実がパンパンに膨れているクリがおいしいです。
■ビックリな話
(1)縄文時代から食べられていた?!
お宮の森裏遺跡(長野県上松町(あげまつまち))で、約1万3千年前のクリの実が発見されています。主食として、粉にしておかゆや団子にして食べることが多かったようです。また、三内丸山遺跡(青森県青森市)では、クリの巨木を使った建造物があったことがわかっています。日本は昔からクリと深い関わりがあったことがうかがえますね。
(2)食べている部分は果肉ではなく種?!
ずっと果肉だと信じて疑わなかった部分が種だったなんて衝撃です。
鬼皮=果肉
イガ=皮渋
皮と中身=種
▽〜取材を終えて〜
鳥獣対策について伺った時、古川さんは「イノシシたちも生きるために食べにくる、食べんと生きていけんから向こうも必死」と話され、いろいろと考えさせられる言葉でした。
今が旬のやまが和栗、生産者さんの顔を思い浮かべながら食べてみませんか?
古川さん、お忙しい中ご対応いただきありがとうございました。
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