広野町は東京電力福島第1原発事故に伴う緊急時避難準備区域の解除から丸12年を迎えた9月30日(土)、“広野町復興創生の日”制定記念式典を広野町公民館で開催しました。“広野町復興創生の日”は東日本大震災と原発事故を乗り越えた軌跡を後世に伝えるために制定するもので、式典には町関係者約70名が出席し、復興への思いを高めました。式典で遠藤町長が「町民と共に希望に満ちた未来社会の創造に邁進し、『原子力災害からの共生のまちづくり』に取り組みます。」と宣言しました。来賓の復興庁福島復興局の荒井局長と北郷議長が挨拶し、広野町出身で広野中学校の図書館司書の松本彩華(さやか)さんが未来へのメッセージとして古里復興への思いを語りました。式典の最後には、東日本国際大学の福迫副学長がこれからの復興創生のまちづくりについて基調講演を行いました。
■“広野町復興創生の日”制定宣言
広野町は、平成23年4月22日、福島第一原子力発電所事故に伴う原子力災害により緊急時避難準備区域に指定され、全町避難を余儀なくされました。私たちはこれまで、国内はもとより国際社会からも多くのご支援・ご厚情をいただき、復旧・復興に全力で取り組んできました。平成23年9月30日、緊急時避難準備区域が解除され、この日から町民一人ひとりが納得して帰還する「幸せな帰町」を捉え、インフラの復旧、商業施設の整備、医療福祉施設の整備、教育環境の体制整備等、生活環境を一つひとつ整え、町民の生活を守るための取り組みを加速させ、令和3年1月には町民帰還率9割を成し得ることができました。
福島第一原子力発電所の廃止措置等において、中長期ロードマップにおける2041年から2051年の完了に向けて、産業復興、研究開発や新たな産業創出を目的とした福島イノーベーション・コースト構想及び福島国際研究教育機構(F-REI)が推進されていきます。地震、津波、原子力発電所事故という世界でも類を見ない未曾有の複合災害を被り、先の見えない避難生活の日々から幾多の苦難を乗り越え、被災地に帰還を成し得た町として、これまでいただいたご支援・ご厚情に感謝し、ふる里での生活を取り戻したこれまでの軌跡を風化させることなく、継往開来の念を刻み後世に継承してまいります。
被災地復興の展望に向けて、“広野町復興創生の日”を緊急時避難準備区域が解除された9月30日を以て制定し、復旧から再生、第二期復興創生期間を刻み、町民と共に復興・創生へと希望に満ちた未来社会の創造に邁進してまいります。ふる里広野町の復興・創生の願いに向け、福島イノベーション・コースト構想に基づく未来創造、火力発電所が立地するエネルギーの町としてカーボンニュートラルやSDGs推進へ向けた持続可能な地域社会の構築を念頭に、新たな時代の安心・安全な防災に強い「“原子力災害からの共生のまちづくり”」に力強く取り組んでまいります。
令和5年9月30日
広野町長 遠藤 智
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