■命を無駄にせず価値を生み出す
andC代表
長原 駿さん・27歳 滝窪町
6年間イタリア料理店で調理師として働いていた長原さん。現在はイタリア料理店を辞めて有害鳥獣として駆除した鹿の肉と骨を使った犬猫用のジャーキーを作り販売する事業を始めた。
「イタリア料理店での経験から、食材を無駄にしない大切さを学び、料理で使用している肉のルーツを見たいという思いが湧きました。コロナ禍で時間の余裕ができたこともあり、以前から興味を持っていた狩猟を体験し、狩猟免許を取得しました」
猟期には、ベテランの猟師たちと赤城山などの山中に入るようになった。
「鹿肉の自家消費には量的にも限度があり、廃棄されることが多い現状に直面しました。その命の廃棄を目の当たりにしたことで、何もできない自分がふがいないと感じました。そこで、有害鳥獣として駆除した鹿の命を無駄にせず、大好きなペットの役に立つことができる鹿肉を使った犬猫用のおやつ作りに取り組むことを決意しました」
現在は鹿肉と骨を使ったおやつ作りがメインだが、今後は皮や角などを使った工芸品作りにも取り組みたいと語る。
「廃棄予定だったものから価値を生み出す。そして、有害鳥獣の駆除で多くの命が廃棄される前に、他の選択肢を提示できるようになりたいです」
長原さんのアイデアはこれからも広がり続ける。
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