~少年団をきっかけに夢をつかんだ男たち~
全国で約28,000団があり、60種類以上の種目があるスポーツ少年団。約55万人の子どもたちが活動を通じて多くのことを学び、経験し、成長しています。※令和4年度現在
今月号では、市内のスポーツ少年団にスポットを当てました。はじめに、市内在住で活躍しているスポーツ少年団出身の2人に少年団の魅力を語っていただきました。
■仲間と目標に向かって過ごした時間がすごく楽しかった
○スポーツ少年団へ入団したきっかけは?
[坂]一つ上の兄がスポーツ少年団(軟式野球)に入団していて、私も野球がしたくて小学4年生のときに兄と同じスポーツ少年団に入団しました。当時は小学4年生にならないと入団ができず、兄が先に入団してからは、うらやましくて待ち遠しかった記憶があります。[鈴木]私も小学4年生から地元のスポーツ少年団(軟式野球)に入団しました。それまでは、同級生とたくさん遊んでいて、みんなが「野球をやる」って話になったので一緒に入団しました。遊びの延長って感じですかね。
[坂]たしかに最初は遊びの延長だったかもしれません。私は男子の同級生が7人いて、全員が同じスポーツ少年団に入団しました。
[鈴木]私は、同級生8人が入団しました。当時は、遊ぶといったら野球だったので、入団することに抵抗はありませんでした。むしろ、みんなと野球ができる喜びのほうが強かったです。
○スポーツ少年団の思い出は?
[坂]当時は出島村の時代で、小学校が7校あって、小学校単位でスポーツ少年団(軟式野球)がありました。その中でリーグ戦(大会)があり、優勝に向かってみんなと練習したり一緒に過ごした時間が一番の思い出です。
[鈴木]私も試合に勝ったらすごく嬉しくて、みんなと目標に向かって過ごしたことが一生の思い出です。また、練習や試合の合間にみんなとワイワイしたり、お弁当を食べたことが楽しかったです。イベントもあって、合宿で農村環境改善センターに泊まったこともありました。
[坂]そうそう、あとお祭りみたいなイベントもしましたね。竹とんぼや凧を作ったり、炊き出しがあったりと、みんなでワイワイしました。
[鈴木]あと、大会で優勝したときは、みんなでラーメンを食べに行ったこともありましたね。
[坂]それに、練習や礼儀に厳しい監督も、なぜかイベントでは優しかったね(笑)。
[鈴木]そうですね(笑)。また、近所の人がいつも気に掛けてくれたり、地域ぐるみで育ててくれた感がありましたね。本当に、良い思い出がたくさんあります。
■「楽しい」が原動力となり自然に継続する力が身に付いた
○スポーツ少年団で学んだことは?
[坂]野球の技術はもちろん、道具管理や掃除の仕方、グラウンド整備などチームのルールを教わり、それを実行するにはチームワークが大切だと学びました。
[鈴木]挨拶や礼儀を学び、集団行動のためにみんなで協力する。一人だけ良くても周りができないとチームとして成り立たないことを学びました。
[坂]スポーツ少年団で野球の楽しさを学んだから、上下関係や集団行動が厳しかった時代でも大学まで続けることができました。また、スポーツ少年団で礼儀などが身に付いたことで、組織での関わり方、先輩との付き合い方もうまくできました。
[鈴木]私も中学・高校と野球を続けたことや、プロという世界で切磋琢磨して一つの勝利に向かって行動できたのは、最初の入口(スポーツ少年団)が楽しかったからだと思います。
[坂]現在、私はスポーツ関係の仕事で多くの方と出会いますが、人間関係や社会で必要な基礎、目標を達成するための力は、スポーツ少年団のおかげだと実感してます。
[鈴木]私は、上のレベルに行くにつれて競争が激しくなる中、単純に野球は「楽しい」が力となって、負けたくない気持ちで継続できたと思います。プロ野球を引退してからは、大工の見習いをしながら学校へ通い、資格を取りました。現在は、工務店を経営していますが、やはりスポーツ少年団で学んだことが基礎となり、今の自分がいると思います。
○最後に子どもたちへメッセージをお願いします
[坂]今しているスポーツは本当に「楽しい」ですか?と自分に問いかけてください。子どものころは、その競技が楽しいと思えることがとても大切です。楽しいが原動力となり、多くのことを学び、今後の人生に役立つと思います。そしてたくさんの仲間に出会ってください。
[鈴木]スポーツは楽しい。それに尽きると思います。どんなスポーツでも楽しいから一生懸命できるし、自ら考えて学ぶ。そして、自然に継続する力が身に付きます。夢への第一歩をスポーツ少年団から始めるのも良いと思います。
■坂 定治(さか さだはる)さん(44歳)
[経歴]
・小学4年生 スポーツ少年団入団(軟式野球)
・出島村立北中学校(現:霞ヶ浦中学校)軟式野球部
・県立土浦湖北高等学校 硬式野球部
・旭川大学(現:旭川市立大学) 硬式野球部
・現在、ヒダカスポーツ店を経営
■鈴木 健之(すずき たけゆき)さん(41歳)
[経歴]
・小学4年生 スポーツ少年団入団(軟式野球)
・霞ヶ浦町立北中学校(現:霞ヶ浦中学校) 軟式野球部
・県立藤代高等学校 硬式野球部
・プロ野球 横浜DeNAベイスターズ
・現在、鈴木工務店を経営
■スポーツは一生のトモダチ
「スポーツ少年団」は、国内最大規模の青少年スポーツ組織です。
スポーツを通じて「こころとからだの成長」を体感しています
○「スポーツを楽しむ」ことが目標です
成長が著しい子ども時代には、まず体を動かすことの楽しさや喜びを知ることが大切です。基礎的な運動能力や運動習慣が身に付き、生涯にわたってスポーツを楽しむ基盤を作ることができます。
○仲間との集団行動が「こころの成長」につながります
スポーツだけでなく、野外活動や社会活動、文化・学習活動など多岐にわたる活動を通して、子どもは協調性や創造性を養い、社会のルールや思いやりのこころを学ぶことができます。
○「地域のキズナ」のなかで子どもを支援する組織です
スポーツ少年団は、指導者、役員・スタッフや地域の人々によって支えられています。スポーツを通したネットワークの広がりが、地域内の交流を活発にし、より良い地域づくりにつながります。
次のページ(Part2)では、市内スポーツ少年団(15団体)を紹介します。どの団体もスポーツを通じて人間性を育み、楽しく活動しています
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