美術館では、二四作家の絵画、彫刻、陶芸、写真等約八五〇点の美術作品を所蔵し、コレクション展等を通じて展示していますが、町の財産でもある所蔵品を皆さまにもっと知っていただくためにこのコーナーでも紹介していきます。
今回は三七点を所蔵している島岡達三氏(一九一九~二〇〇七年)の「地釉縄文象嵌竹文番茶セット」を紹介します。島岡氏が人間国宝の認定を受けた際の指定名称である「縄文象嵌」が施された器体に竹の模様が描かれています。島岡氏は民藝運動の中心的な存在であった濱田庄司に師事していますが、民藝の特質は実用品であり、本作も用の美、健康の美に満ち溢れています。島岡氏は「急須は手間がかかりますが、かたちがおもしろく、造形の妙があります。切れのいい口、注ぎやすい手、機能性も大切です。」と好きな急須づくりについて語っています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>