監修:江府町立図書館館長 宇田川 恵理
こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!
■『からだの美』
小川洋子著(文藝春秋)
『博士の愛した数式』など多くの著書で知られる小説家小川洋子さんが、自分が感じたさまざまな「からだの美」について語るエッセイ集です。
目次には、「外野手の肩」「棋士の中指」「力士のふくらはぎ」「文楽人形使いの腕」などの、からだの一部を取り上げたタイトルが並びます。たとえば、「ゴリラの背中」では、オスゴリラの背中が、親子の絆をつちかう場所となっていることが語られます。
オスゴリラには、シルバーバックと呼ばれる白い毛が背中に生えているのだそうです。一方、その背中によじ登りあそぶ赤ちゃんゴリラのお尻には、ベビーシグナルと呼ばれる白い毛が生えていて、「二つの白が互いに求め合い、寄り添いあう。」「ただ父は黙ってそこに座り、子は父に守られて遊ぶ。」という文からは、暖かさと切なさを感じます。
いずれも、7~8ページと短いエッセイですが、著者独特の視点で見出した、様々なからだの美が、選び抜いた言葉でつづられています。秋の夜長、暖かい飲み物を傍らに、1篇1篇ゆっくりと味わいながら読んでみたい1冊です。
◎体の一部だけど一つ一つが深い
宇田川館長
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