くらし 【特集】政策アドバイザー(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道函館市
- 広報紙名 : 市政はこだて 令和8年2月号
■外部の視点をまちづくりに。函館市政策アドバイザーの取り組み
函館市が抱える「人口減少」や「地域経済の活性化」といった課題は、簡単には答えが出ない難しいものです。そこで市では、市役所内部だけでは得ることができない新しいアイデアや最新の知識を積極的に取り入れるため、外部のプロフェッショナルを「函館市政策アドバイザー」として招いています。
■幅広い分野のプロが課題解決へ提言
現在、アドバイザーには経済、まちづくり、観光などの第一線で活躍する9名が就任しています。専門的な知見から、人口減少や少子高齢化への対応、まちのデザイン、産業や観光の活性化などの幅広い分野を対象に、市の課題解決や将来の方向性へアドバイスをいただいています。
■提言から生まれた具体的なプロジェクト
昨年度の意見交換会で寄せられた意見から、「ジェンダーギャップ解消プロジェクト」の立ち上げや湯の川温泉のプロモーション動画制作などが、すでに実際の施策として動き出しています。
今回の特集では、令和7年11月に行われた最新の意見交換会から、今後の函館を創るヒントとなる主な提言をご紹介します。
■令和7年度第1回政策アドバイザー意見交換会
令和7年11月14日、政策アドバイザー8名(隈 研吾氏は所用のため欠席)と市が意見交換を行い、「産業・雇用」「都市ブランド・観光」「ウェルビーイング」の三つの分野に分かれて議論しました。会議には商工会議所や学生団体ISARIBI withの皆さんも参加しました。詳しいことは、市のホームページをご覧ください。
■Aグループ「産業・雇用」
◇飯村 亜紀子(いいむら あきこ)氏
経済産業省イノベーション・環境局
イノベーション政策上級企画調整官
本当にやる気のある人が頑張って何かを成し遂げるんだと言って初めて雇用が増え、まち全体の力につながると思っています。そして、残って函館を盛り上げる人材だけでなく、外から来たい人や、U・Iターンで戻りたい人が働きやすい仕組みも、これからもっと必要になるはずです。GXについても、洋上風力のような大きな取り組みだけでなく、太陽光発電のような“暮らしの中で実感できる”身近な取り組みが広がると、家計の助けにもなりますし、電気代やエネルギー代を外に払っていてエネルギー収支がマイナスの函館でお金が回る仕組みづくりにもつながります。
◇伊藤 正裕(いとう まさひろ)氏
株式会社パワーエックス取締役
代表執行役社長CEO
函館は、企業にとっても立地としての魅力が非常に大きいと感じています。ただ、国際貨物の取り扱いなど港の課題もあり、物流面でどんなサポートがあるのか、企業にとって気になるところです。スタートアップについては、取り組みを拝見し、素晴らしいと思いました。例えば、大型のスタートアップイベントを誘致して、多くの起業家が集まる“場”をつくるだけでも、まちのイメージは大きく変わります。また、クルーズ船誘致の面では、これから求められる陸電(船へ陸側から電気を供給する仕組み)に早く対応できれば、函館の強みになるはずです。産業誘致には、安い電力や安定した電源も欠かせません。洋上風力や廃棄物発電など、地域でつくった電気を上手に活かすことで、企業にとっても選ばれるまちになると考えています。
◇長谷川 榮一(はせがわ えいいち)氏
武蔵野大学客員教授
元内閣総理大臣補佐官
函館の動きが大きく前に進み始めていると強く感じています。ただ、予算は“増やすよりも使う方が難しい”というのが行政の現実で、限られた職員数の中で、事業を進めていくのは大変です。若い人たちが働ける場をふやすことは、収入だけでなく自己実現にもつながります。そのためには、一度挑戦してだめでも、二度三度とチャンスがあるような、インクルーシブな経済対策が必要です。首都圏にいる人で、函館に行って、または函館に戻って仕事をしてもいいのかなという人を刺激するやり方もあります。農地や畜産副産物を活用して仕事を育成すれば、スタートアップを身近に感じる人も増えます。市役所だけでなく、関係する経済団体や企業の皆さんと一緒に、“函館の経済を自分事として考える”体制が整えば、まちはもっと勢いづくと感じています。
