くらし 動物園からの手紙【425通目】

■手書き看板に込められた想い
猛暑だったこの夏、園内一帯を緑色に染めていた木々たちも、11月に入り、たくさんの葉を落とし、冬の装いに変わろうとしています。動物たちも、長く寒さが厳しい季節に備え、夏毛から冬毛へと徐々に衣替えしています。冬期開園シーズンの到来です。
さて、今回は、そんな旭山動物園に来たなら必ず押さえてほしい見どころを紹介します。皆さんもご存じかもしれませんが、動物の「手書き看板」です。
手書き看板は、旭山動物園のテーマ「伝えるのは命」を具現化した、その原点ともいえる取組みです。「下手でもいいから、一番間近で動物のことを知る飼育担当が書くべきだ」というコンセプトの下、担当が変わっても、その思いは脈々と引き継がれてきました。まさに「旭山のお家芸」といえるものです。
この手書き看板、主に夏期開園前の4月、各飼育担当が夜遅くまで、手間暇かけて作成しているもので、実は毎年更新されています。動物の羽や毛を取り入れたものなど、内容や形状はさまざまで、各展示施設に掲示された看板は個性のぶつかり合い、まるで飼育担当が競演する作品展のようです。
その中身といえば、各々の動物ならではの生態や特徴、野生下での現状をはじめ、飼育担当でなければ知り得ないような内容など、手書きだからこそ伝わる、動物たちへの愛情や思いが、熱いメッセージとして書かれているのです。
近年では、飼育スタッフの作成スキルも向上し、シンリンオオカミを絵画のように描き上げたものや、カバの口の中を3D化した力作も登場し、来園者の皆さんにも楽しんでいただけているのでは、と感じています。手書き看板が今後どのように進化していくのか、とても楽しみでもあります。
旭山動物園では、これからも人と野生をつなぐ場所として、命の尊さや生きることの素晴らしさを伝えていきたいと思います。ぜひ「手書き看板」からもそのメッセージを受け取っていただければ幸いです。

■旭山ピックアップ　Asahiyama Zoo pickup
▽クリスマスツリーを飾る会
飾り付けを作って貼ったり、ツリーの点灯式を行う、クリスマス時期恒例の楽しいイベントです。
日時：12/7(日)　13：00～15：15
場所：いこいの広場休憩所、イベントホール1階、東門改札
対象：3歳児～小学6年生(保護者同伴)
定員：30人
募集期間：11/21(金)～12/5(金)に電話で同園
※詳細は同園HPに掲載。

▽わくわくスタンプラリー2025
〔実施中〕
北海道産いきもの保全プロジェクトに参加する、9つの動物園・水族館を巡るスタンプラリーです。スタンプ6個以上から、景品に応募できます。
実施期間：来年2/28(土)まで

■動物園をもっと楽しむ
動物園では他にもイベントいろいろ!
園内イベントの詳細は決まり次第、同園HPに掲載

■冬期開園日・時間
・11/4(火)～10(月)は休園
・11/11(火)～来年4/7(火)まで　10：30～15：30(入園は15：00まで)
※12/30(火)～来年1/1(木)は休園。

詳細：旭山動物園(東旭川町倉沼)
【電話】36-1104