健康 健康〔健康コラム〕

■帯状疱疹の予防接種
・保健師です
◆帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘にかかった際に体内に潜伏したウイルスが再活性化することで発症し、皮膚に痛みやかゆみを伴う水疱が、左右どちらかに帯状に現れる病気です。日本では成人の約3人に1人が発症し、特に50歳代から増加し、70歳代がピークです。合併症として皮膚症状が治った後にも数カ月から数年にわたって痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、70歳代以降で発症が増加します。早期治療が重要です。

◆帯状疱疹の予防接種
帯状疱疹ワクチンを接種することで、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫力を高め、帯状疱疹の発症を予防し、もし発症しても、症状が軽くすむという報告があります。主に50歳以上の方は、帯状疱疹ワクチン予防接種を受けることができ、ワクチンは2種類あります。

◇生ワクチン
生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)は、ウイルスの病原性を弱めたものから作られているワクチンで、皮下に1回接種します。帯状疱疹や合併症に対するワクチンの予防効果は、接種後1年で6割程度、5年で4割程度持続すると報告されています。副反応の発現割合は、赤みが30%以上、かゆみ、熱感、腫れ、痛み、硬結が10%以上となっています。病気や治療によって、免疫が低下している方は接種できません。

◇組換えワクチン
組換えワクチン(GSK社:シングリックス)は、ウイルスの表面タンパクの一部から作られているワクチンで、筋肉内に2カ月の間隔をおいて2回接種します。帯状疱疹や合併症に対するワクチンの予防効果は、接種後1年で9割以上、5年で9割程度、10年で7割程度持続すると報告されています。副反応の発現割合は、痛み79%、赤み37%、筋肉痛37%、疲労35%、頭痛28%、腫れ24%、悪寒21%、発熱17%、胃腸症状12%となっています。

◆定期接種・任意接種の費用助成
本年4月より、65歳の方などを対象として、帯状疱疹ワクチンが定期接種となりました。また富良野市では、50歳以上の方の任意接種の費用助成を実施しています。接種の詳細については、広報4月号をご確認ください。