健康 健康〔健康コラム〕

◆富良野の救急医療を守るためのクラウドファンディング(CF) その2
・富良野医師会 角谷(かくや) 不二雄さん
救急医療は迅速な対応のため、医療チームや設備を常時待機させる必要があります。24時間対応のスタッフ人件費やCT・MRIなどの導入とメンテナンスは高くつきます。また、救命処置で必要な薬剤や使い捨て器具のコストも高額になります。例えば、血液をサラサラにする薬使用時の止血薬は1回投与に300万円かかりますが有効期限が短く、廃棄となれば多大な損失が出ます。公的医療保険でカバーされる診療報酬が、実際のコストを十分に補填していないのです。救急医療はどうしても非効率で赤字になる分野であり、前回述べた昨年度の富良野協会病院(当院)の多額な赤字の主な原因です。
富良野二次医療圏の救急搬送数は、インバウンドによる観光客増と急速な高齢化により2020年度以降増加しています。その約60%が当院への搬入、約10%が当院からの搬出です。しかし、救急医療の要ともいえる当院の常勤麻酔科医は1名。手書き術中データの電子カルテ転記や手術室間の往復は、医師の大きな負担となっています。もし「麻酔記録システム」があれば、手術が立て込んだ時や急変時への対応がよりスムーズになります。しかし、当院の経営状況では、その導入費用を自力では捻出できません。
そこで、6月9日から1,000万円を目標にREADYFOR(レディーフォー)を仲介としたCFを始めます。CFは想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るしくみです。寄付金控除型で、個人では2,000円を除いた額を所得から控除でき、法人では損金扱いになります。インターネットを通してのご寄付のためのURLとQRコードを下に記します。また、病院窓口に募金箱も設置いたします。皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

【URL】https://readyfor.jp/projects/furanohospital2025

※QRコードは広報紙P.7をご覧ください。