- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道倶知安町
- 広報紙名 : 広報くっちゃん 令和7(2025)年10月号
公正証書は、契約や離婚の際の重要な約束事をしっかりと残すことができる制度です。これまでは、公証役場に当事者が直接出向き、公証人の面前でやり取りを行って作成するのが原則でした。そのため、公証役場が遠方にある地域の方、仕事や家庭の都合で移動が難しい方にとっては、手続きのハードルが少し高いものでした。
こうした実情を踏まえ、令和7年10月から「公正証書の電子化制度」がスタートします。これは、オンラインを通じて公正証書を作成できるようにする新しい仕組みです。例えば、ビデオ通話で本人確認を行うなど、従来の厳格な手続きを踏まえながらも、公証役場に出向かなくても完了できるようになります。これにより、地理的な制約や時間的な制約を受けにくくなり、利用のしやすさの拡大が期待されています。
また、従来通り、公証役場にて直接説明を受けながら書面で作成する方法は引き続き利用できます。つまり、ご自身の事情に合わせ、相談をしながら進めたい方には対面が安心ですし、遠方にお住まいの方や移動が難しい方には電子化が強い味方となるでしょう。
さらに、公正証書遺言の電子化も近々実施されます。遺言はご自身の思いを将来に託す大切な手続きですから、こちらも利便性と確実性を両立させるために新しい制度が整いつつあります。
新しい手続きが利用できる公証役場は、10月1日以降に順次指定される指定公証人の役場です。また、新しい手続きにはパソコンや電子サインをするための機材が必要となります。
公正証書の電子化は、利用の幅を広げる大きな一歩です。大切な契約や遺言をどう残すかを考える際には、必要に応じて専門家へ相談してください。
ようてい法律事務所弁護士 渡邉恵介
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