子育て 令和7年度 教育行政執行方針(全文)(2)

◇3.豊かな心と健やかな体の育成
児童生徒が互いを尊重し、個性の伸長を図りながら、基本的な倫理観や規範意識を身に付け、自らの生き方を主体的に考えることができる力を育むとともに、学校生活が有意義で興味深く、充実したものになることが重要であります。
このため、自他の持っている良さを大切にし、思いやりの心を育んでいけるよう、道徳教育の充実を図るとともに、読書、ボランティア活動などあらゆる教育活動を通して、自立心や自律性、思いやりの心を培い、豊かな人間性や社会性を育む教育を推進してまいります。
また、SNS等によるトラブル防止に関する情報提供を行うとともに、家庭でのルールづくりや危機管理の徹底についての啓発活動を実施してまいります。
いじめの対応につきましては、児童生徒の小さなサインを見逃すことなく、未然防止と早期発見、早期対応への取り組みを推進するとともに、いじめを生まない校内体制の充実に努めてまいります。
不登校対策につきましては、岩内町立小中学校不登校対策連絡会を活用し、関係機関との連携を図りながら個々に応じた取り組みを推進するとともに、教育支援教室「つばさ教室」において、学校復帰に導くための基礎学力の補充や、生活習慣の改善等を支援してまいります。
さらに、スクールカウンセラーの配置を継続し、学校生活や精神面の悩みを抱えている児童生徒や保護者に対応するとともに、教職員への助言・援助を行い、教育相談体制の充実に取り組んでまいります。
児童生徒の健やかな体を育成するためには、望ましい生活習慣を養い、体力・運動能力の向上を推進するとともに、心身の調和がとれた児童生徒の育成に努めることが重要であります。
そのため、学校給食につきましては、栄養教諭を中心とした指導体制のもと、衛生管理の徹底に努め、地場産物の活用も取り入れた安全・安心で栄養バランスのとれたおいしい学校給食を提供するとともに、食を通して人間として生きる力を育む食育を推進し、家庭を含め健康に対する意識の向上に努めてまいります。
なお、物価高騰による学校給食費への影響に関しては、保護者の負担軽減が図られるよう、引き続き必要な措置を講じるとともに、今後の学校給食費の支援等のあり方について、検討してまいります。
また、学校給食費を地方自治体の会計に組み入れる「公会計制度」の導入につきましては、令和8年度からの実施に向け、各種準備を進めてまいります。
安全教育につきましては、地震や火災、津波などの災害に迅速かつ的確に対処するため、各校で作成している危機管理マニュアルの点検及び徹底と、緊急時に適切な対応や行動をとることができるよう、実践的な避難訓練の実施に努めてまいります。
なお、原子力防災につきましては、北海道が実施する原子力防災訓練などの訓練を通じ、防災対策への理解促進と意識の向上を図ってまいります。
通学路の安全確保につきましては、安全教育の徹底に努めるとともに、岩内町通学路交通安全プログラムに基づき、通学路の安全確保の充実を図り、安全・安心な教育環境づくりに努めてまいります。

◇4.地域とともにある学校づくりの推進
児童生徒が自ら考え判断し、町の未来を担うたくましい人材を育成するためには、社会の変化に対応した教育環境の整備と学校・家庭・地域が一体となり、地域の声を生かした学校経営を進めることが重要であります。
そのため、学校に対する理解が深まるよう、地域公開参観日の開催、学校だよりによる教育活動の情報発信など、開かれた学校づくりの取り組みを推進するとともに、地域住民や保護者などから構成される「コミュニティ・スクール」の充実を図ってまいります。
学校経営につきましては、学校長がリーダーシップを十分に発揮できるよう支援するとともに、教職員につきましても、北海道教育委員会や後志教育研修センターなどの教育団体が開催する各種研修による資質能力の向上、服務規律の遵守や危機管理・感染症対策への対応など、保護者や地域から信頼されるよう取り組んでまいります。
学校における働き方改革につきましては、教職員の勤務実態などの把握に努め、教職員が健康でやりがいを持って働き、授業やその準備に集中できる時間や児童生徒と向き合う時間の確保など、教職員の負担軽減と教育の質を向上させる取り組みを推進してまいります。
地域との連携につきましては、岩内町特別支援教育振興会及び町内関連団体の活動を引き続き支援してまいります。
また、幼児期は、人格形成の基礎を培う重要な時期であり、義務教育の基礎となることから、小学校、幼稚園、保育所との連携と接続を円滑にすることが重要であります。
そのため、岩内町幼保小連絡会が実施する就学に向けた研修会や情報交換会等の開催を支援してまいります。就学援助扶助費につきましては、基準援助額の全額支給を継続し、これまでと同様に準要保護世帯の児童生徒の就学に対する経済的支援に努めてまいります。
岩内高等学校は、人口減少と少子化、進学先の多様化の影響により、入学者数の確保が年々厳しい状況になっておりますが、岩宇地区唯一の高校として、また、地域の未来を担う人材の育成と活力を生み出す機能の大きな柱として、本町にとってかけがえのない存在であります。そのため、地域、行政、小中学校等と岩内高等学校との連携の充実を図り、魅力ある活動への支援を行ってまいります。