- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道北竜町
- 広報紙名 : 広報ほくりゅう 令和7年7月号
■マジ?ヤバ!医療衰退
今年の夏は暑くなりそうですね。夏の太陽光線をあなどってはいけません。お天気が良いからといって太陽の光をお部屋いっぱいに取り入れますと暖房を入れたように暑くなります。夏の日差しにはカーテンやブラインドで遮光しましょう。熱中症や脱水症を防いで下さい。大丈夫、我慢するじゃ駄目ですよ。
時は令和2年1月。武漢より帰国した一人の男性の新型コロナ感染確認から始まり2月には横浜港に停泊していたクルーズ船での集団発生をみます。その後の流れは周知のとおりです。当診療所でも突貫工事で発熱外来の出入り口を設けたり、一般外来はもちろん、施設での集団発生も乗り越えてきました。
現在は新型コロナ感染は弱毒化が見られ落ち着きを取り戻しています。しかしその中でいまだに不便を被っている事があります。
薬品不足です。
コロナ禍ではさすがに消費量が増大しましたので咳止めや去痰剤や感冒薬などの品薄があり薬品の手配に苦闘し、患者さんにご迷惑をお掛けもしました。しかしコロナ禍が落ち着いた今でも手に入らない薬剤がたくさんあります。
当初薬問屋が過剰な供給にブレーキをかける為に抑制しているのかと思いました。(患者さんと同様に医療機関も余裕のある薬剤確保を望みますもんね)問屋さんの理論では「前月消費量に沿った供給量を提供します」が基本姿勢です。イヤイヤ、先月も先々月も君ら問屋が卸してくれなかったので消費量ゼロ。だから今月ウチには供給なし!そんな理論は酷いんでないかい。直談判しました。その点は考慮し直してくれましたが、どうも卸問屋にも品数が来ていない様子です。
こりゃどうした事かいなと思案しておりましたら次第に諸事情が見えてきました。
まずはジェネリック問題。
ご存知のようにジェネリック医薬品は開発会社が新薬を作り出して20~25年で特許が切れます。自由に真似して作っていいわけです。莫大な研究開発費を掛けずに同じような薬を安価で作れます。その代わり販売価格は格安になります。
国は医療費抑制の為にジェネリック薬品を推奨します。
がどうも品質や製造工程に不備のあるものが多く改善を求められています。しかし中小製薬会社は余力(人出、資金)がなく改善が困難なようです。次に薬価の問題です。薬は値段を国が決めます。これも医療費抑制の為抑えられています。その為採算の取れない薬剤は製薬会社も生産をあきらめざるをえません。
つまり国のケチケチ作戦が裏目に出て(いや当たり前の結果)日本の医療を破壊している訳です。
こういう事をキチンと評価しないといつまでも役人や政治家は自分たちの過ちに気付かないままです。
成長戦略でなく衰退戦略。
これに慣れてしまうのが怖いです。
◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
7月2日(水)、7月23日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。