- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道和寒町
- 広報紙名 : 広報わっさむ 令和7年11月号
令和7年4月、和寒小学校・和寒中学校において、令和7年度全国学力・学習状況調査が実施されました。この調査は、全国の小学6年生と中学3年生を対象に、学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証・改善するとともに、学校における教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることを目的としています。児童生徒への調査の内容は、教科に関する調査(本年度は国語、算数・数学、理科)及び生活習慣や学習環境等に関する質問調査の2つです。なお、文部科学省の「R7全国学力・学習状況調査に関する実施要領」には、「本調査の目的や調査結果は学力の特定の一部であり、学校における教育活動の一側面である」との見解が示されています。
本町の小中学校の結果は、全国平均と比較すると右表のとおりとなりました。教科ごとの正答率を全国平均と比べると、小学校の平均正答率は全ての教科において全国平均を下回り、中学校の平均正答率(国語・数学)・平均IRTスコア(理科)は全ての教科で全国平均をやや上回りました。なお、中学校理科については、本年度からIRTスコア(右記参照)が取り入れられたため、IRTスコアの平均値で比較しています。
◆平均正答率・平均IRTスコアの全国との比較

「IRTスコア」~統計理論「IRT(Item Response Theory:項目反応理論)」に基づいて各設問の正誤パターンの状況から学力を推定し、500を基準にした得点で表したもの
◆国語
小学校国語の平均正答率は全国平均を下回っています。「知識・技能」の分類における「言葉の特徴や使い方に関する事項」と「我が国の言語文化に関する事項」の正答率は、全国平均と差がありました。
中学校国語の平均正答率は全国平均をやや上回っています。全国平均を上回るのは、4年連続です。特に、「思考力・判断力、表現力等」の分類における「書くこと」の正答率が全国平均を大きく上回りました。中でも、「表現の効果について根拠を明確にして考える」設問は、全員が正答でした。
◆算数・数学
小学校算数の平均正答率は、全国平均を下回っています。領域別では、「数と計算」と「変化と関係」の区分の正答率が低かったです。全国の平均正答率が比較的高い問題で、全国の正答率と差が広がってしまったというケースが見られました。
中学校数学の平均正答率は、全国平均をやや上回っています。「図形」と「関数」の領域は、特に正答率が高かったです。「相対度数の意味」に関する設問の正答率は、全国平均を下回りました。
◆理科
小学校理科の平均正答率は、全国平均を下回りました。特に、A区分の「粒子」を柱とする領域と、B区分の「地球」を柱とする領域の正答率は、全国平均と差がありました。
中学校理科の平均IRTスコアは、全国平均をやや上回っています。
特に、「学んだ知識や技能を使って、自分なりの着眼点をもって分析したり解釈したりする」設問の正答率が、全国平均を大きく上回りました。
◆質問調査
質問調査で、全国平均と比べて小中学校ともに肯定的な回答が多かった質問としては、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」、「困りごとや不安がある時に、先生や学校にいる大人にいつでも相談できますか」、「地域の大人に、授業や放課後などで勉強やスポーツ、体験活動に関わってもらったり、一緒に遊んでもらったりすることがありますか(習い事は除く)」、「前の学年までに受けた授業で、PC・タブレットなどのICT機器を、どの程度使用しましたか」、「あなたは自分がPC・タブレットなどのICT機器を使って情報を整理する(図、表、グラフ、思考ツールなどをつかってまとめる)ことができると思いますか」などがありました。
また、否定的な回答が多かった質問としては、「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、勉強をしますか(学習塾や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間を含む)」、「学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか(オンラインの授業の場合も含む)」、「将来、理科や科学技術に関係する職業に就きたいと思いますか」などがありました。
これらの結果を受け、各学校でさらに分析・検討を行い、未定着部分の学び直しや授業のさらなる改善に取り組むとともに、学校と家庭が連携して、家庭学習のより一層の充実へ向けた取組も進めていきます。
