くらし 地下の研究現場から第54回 地下の割れ目の水の流れやすさを予測

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター
モグ太くん:私たちの行っている研究について、広くご理解いただくために幌延町広報誌「ほろのべの窓」の誌面をお借りして町民の皆さまをはじめ、ご愛読者さまに研究内容についてご紹介させていただきます。

今回は、幌延深地層研究センターがこれまで行ってきたボーリング調査を通じて、地下に存在する割れ目の水の流れやすさに関する法則を初めて発見したことについて紹介します。
地下水は主に地下に存在する割れ目を流れますが、一般的に深度が深くなると水が流れにくくなる傾向が知られています。しかし、深度が深くなった時に水が流れにくくなる度合いは地層によって大きく異なり、その理由はよく分かっていませんでした。この理由を正しく理解できれば、地下水の流れについてより高い精度で予測・推定することができるようになります。
幌延の地下施設周辺でのボーリング調査において、地下に存在する割れ目の水の流れやすさを調べる試験やシミュレーションを行いました。その結果、割れ目の地下水の流れやすさは、「岩石にかかる力」と「岩石の硬さ」、そして「割れ目のかみ合わせの程度」の3つの組み合わせによって決まるという法則性があることが初めて分かりました(図)。
この成果は、高レベル放射性廃棄物の地層処分場やCO2地中貯留層周辺の割れ目の水の流れやすさを推定する際に、ホーリング調査の本数を少なくすることなどに役立ちます。また、地熱や石油・天然ガスの資源開発の分野において、生産性の向上のために割れ目の流れやすさを増加させることなどにも役立ちます。

図は本紙をご覧ください。

広報・調査等交付金事業

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