- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県東松島市
- 広報紙名 : 市報ひがしまつしま 2025年11月1日号
真壁病院 眞壁健二(まかべけんじ)院長
Q 夜中までゲームをしている子どもが、「朝に視野がぼやける」、「視力が落ちた」と訴えます。眼科を受診したほうがよいでしょうか?(38歳女性)
A 近年インターネット、スマートホンは急速に普及し、学校でもデジタルコンテンツを使用する機会も増えている状況です。便利になったようにも見えますが、様々な問題点も挙げられてきています。
特に子供達にとっては視聴時間と言語発達に負の相関があり社会性・情緒的発達にも関連することが報告されています。身体的な問題として運動不足から肥満が懸念されたり、両親とのコミュニケーション不足から愛着形成に悪影響を及ぼします。
質問にあるように視力に対しては近視や後天性内斜視など近くを見続けることで起こるトラブルや長時間瞬きが抑制されるためにドライアイやそこから波及する角膜炎などのリスクも増大します。
また、夜間までゲームやインターネットを使用することで刺激的な情報により脳の興奮も起こります。自律神経が活発になり、リラックスする時間帯が短くなり体調不良の原因にもなります。
デジタルコンテンツ視聴やゲームに依存的になると薬物やアルコールといった依存症とは違って容易にアクセスできてしまうため治療が困難であることも懸念されます。
これらの問題をできるだけ回避するには家庭内でルールを決め、上手に付き合っていくことが重要と考えます。
例えば、(1)1日の使用時間は2時間まで(2)睡眠の2時間前にはメディア視聴をやめる(3)スマホを所有している場合は自分の部屋には持ち込まない(4)守らなかった場合には罰を決める。これらルールは子供だけでなく親もしっかりと守っていくことが重要です。
最後になりますが、上記に挙げた視力障害が起こっているかもしれませんので、眼科での眼の健康チェックを行うことはお勧めします。
