くらし 咲かせましょう 多文化共生の花 大崎市立おおさき日本語学校 開校(1)

最近、外国人を街で見かけることが増えたと感じませんか。本市でも令和3年3月1日時点で833人だった外国人人口が、令和7年3月1日時点には981人に増加しています。
外国人が増加している中で、互いにとって住みやすいまちづくりに必要となるのが「多文化共生」です。多文化共生とは異なる国籍や民族の人が、互いを尊重し対等な関係を築きながら、地域社会の一員として共に生きていくことを指します。
本市では、「大崎市立おおさき日本語学校」を核として、多文化共生のまちづくりを進めていきます。日本語学校を通して、多文化共生について考えてみましょう。

■大崎市立おおさき日本語学校 始動
▽全国初 公立の認定日本語教育機関
大崎市立おおさき日本語学校は、令和5年3月に近隣の小・中学校5校の統合に伴い閉校した旧西古川小学校の跡地を活用しています。公立の日本語学校としては、北海道東川町立東川日本語学校に次いで全国2例目であり、国の新制度に基づく文部科学省認定日本語教育機関としては、全国初の公立の日本語学校です。
3月24日、大崎市立おおさき日本語学校開校式を行いました。式典には、地域住民のほか、市や県の関係者が出席し、開校を祝うとともに日本語学校を核とした「多文化共生社会」の実現に向けた決意を表しました。
また、4月10日には入学式を行い、ベトナムから9人、インドネシアから3人、台湾から16人の計28人の留学生が入学しました。今期入学した留学生は、古川地域中里地区の学生寮を生活拠点として、JR古川駅―西古川駅間を陸羽東線で通学し、1年から2年にわたって、日本語や日本の文化、ルール、マナーなどを学びます。同日、JR西古川駅では地域住民が留学生を出迎え、温かく歓迎するとともに声援を送りました。

▽日本語学校が持つ可能性
本市の総人口は、平成12年の13万9313人をピークに減少し続け、令和7年3月1日時点には12万1671人となっています。全国的な傾向と同様に、老年人口の増加や年少人口と生産年齢人口の減少に伴い、少子高齢化による人口減少が大きな課題です。そのような中で、留学生が本市に愛着を持ち、魅力を世界に発信したり、卒業後も「大崎市民」として地域で活躍したりすることを通して、交流人口の増加や地域活力の維持につながることが期待できます。
また、「多文化共生社会」の実現に向けた地域住民と留学生の交流を通して、新たなにぎわいの創出や地域の活性化につながるなど、日本語学校には多くの可能性があります。

■教えて先生 日本語学校ってどんなところ?
本市に開校した日本語学校は、どのようなところなのでしょうか。大崎市立おおさき日本語学校の特色について、紹介します。

▽そもそも「日本語学校」とは
日本語を母語としない外国人を対象に日本語教育を行う教育機関です。日本語学校で日本語を学ぶことで、大学への進学や就職、日本での生活に必要な日常会話の習得などを目指すことができます。

▽大崎市立おおさき日本語学校の教育理念「新しき和の創造(Creating a New Harmony(クリエイティングアニューハーモニー))
「和」をキーワードに理念を掲げています。「和」には、互いに仲良くする意味の「調和」、2つ以上の要素を加えた値の「総和」、争い事がなく、穏やかな状態である「和み」や「平和」、また日本や日本語学校を表す言葉としての意味が込められています。
学習と活動の場所は学内に限りません。地域全体へと広げ、住民や小・中学生などとの交流を通して、言語のみならず風土や文化も含む「日本」を理解した人材の育成を目指しています。

▽O(オー)タイム
毎週1回、地域住民や小・中学生、高校生との交流、農業体験などの活動の時間を設け、「Osaki(おおさき)」を肌で感じる授業を実施します。いわば日本語教育機関における「総合的な学習(探求)の時間」であり、大崎市立おおさき日本語学校独自のカリキュラムです。教科書から離れ、学外との関わりを持つことで、総合的な日本語能力の向上をはじめ「日本」についての学びを深めます。