くらし 【出番です】子どもの頃の体験。無駄なことは何一つない

■石木田裕子(いしきだゆうこ)さん(汐南)
七ヶ浜地域活動団体「地球子屋(てらこや)」代表

東日本大震災後、七ヶ浜町で10年間、被災者支援をされていた名古屋のNPO法人「レスキューストックヤード」が残してくれた「みんなの家」で活動しています。レスキューの活動は、七ヶ浜にたくさんの種をまき、芽を出して今につながっています。
私がスタッフとして活動した4年近くの間に出会った子どもたちや地区の皆さんとのご縁は私の宝物なんです。
地球子屋は、2021年にレスキュー時代にともに活動した仲間と楽しいことを始めようと立ち上げました。私は人がすごく好き!みんなでわちゃわちゃするのが大好きなんです。楽しくないと長続きしませんからね。
誰かれなく自由に入ってきて、お茶を飲んだり、おしゃべりしたり、ゲームしたりして、人と人がつながり、特に子どもたちには、心のよりどころの場であってほしいと思っています。
地球子屋という名称は、私が20代の頃から、この活動をしようと温めていた言葉で、「てら」はイタリア語で地球という意味です。それに江戸時代の寺子屋を重ねました。
そもそも私の原体験が、幼少期の鍵もかけないような田舎で育ったことでした。近所のじいちゃん、ばあちゃんが朝からお茶飲みに来るんですよ。叱られもしたし、でもそれを納得もできた。地域の人との関わりがすごく密だったんですよね。
子どもを地域みんなで育ててくれたという思いがすごく強くあるんです。学校と家庭と地域で子どもを見守ることができたらいいな。

◇防災を身近なこととして
震災の時、よもや自分の人生でこんなに大変なことが起こるなんて思ってなかったじゃないですか。当時の子どもたちもあの時、小さいながらも一生懸命考えて生きるって言ったらちょっと大げさかもしれないけれど、すごく頑張ったと思うんですよ。
その子どもたちが今、大きくなって、七ヶ浜のために働いていたりすると「君らに任せたぞ!」っていう思いになります。
地球子屋の目的は大きく2つあります。まず、震災を伝えていくことです。震災から15年、震災を全く知らない子どもたちが増えてきています。これからは震災の伝承も大切にしつつ、防災にも力を入れ、近い将来、来るであろう大地震や天災に備えることも必要です。
3.11で得た教訓をもとに、どのように自分の命を守っていくかを身近なこととして捉え、いざという時に慌てないで行動できるようになればと思っています。
3月7、8日の震災の記憶展での私たちのワークショップ(P24)のように、自分にとっての防災グッズを楽しく作ることを通して、防災を日常生活の中で感じてもらえればと思っています。
もう一つは、幼稚園や保育園で働いた経験から、子どもの頃の体験で無駄なことは何一つないと感じています。子どもたちには、たくさんの経験を積む機会をつくることです。
七ヶ浜は、東北、北海道で一番ちっちゃな町。人と人、いろいろな団体がつながり、草の根の活動をすることによって、この町の根っこが強固になる。
地球子屋では、失敗してもいいから、まず何でもやってみようと話しています。子どもたちは、悩みながらも子どもたち同士で解決していくんです。
そういう経験を共有し、広げ、つないでいってほしい。傍らでその様子に立ち会うことができれば、何よりの生きがいです。