- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県井川町
- 広報紙名 : 広報いかわ 2026年2月号
◆今月は総務課
◇面接の向こう側
私が井川町役場の採用面接を受けた際、当時の齋藤正寧町長から開口一番「お前の大学の成績はなぜこんなに悪いのか」と問われました。「勉強以外のことをしていたので成績が悪いのです」と正直に答えたところ「勉強してこの成績ならダメだが、そうでないならお前は大丈夫なのだろう」と言われました。中々器の大きいことを言うものだと感心するのと同時に、彼の一言は当時の私に少なからぬ勇気を与えてくれたのです。
あれから十数年。私は人事給与担当となり採用する側へと変遷しました。試験官として無表情を装いながらも、解答は順調に進んでいるだろうか、顔色は悪くはないだろうかと心中ソワソワしていますし、面接会場へ案内しながら、この受験者はうまく話せるだろうかと不安な気持ちになります。すべて終わって受験者が安堵の息をつくと、私の緊張もようやくほどけるのです。合否の判断は私の手の及ばぬところですが、井川町の試験でたった一つでも前向きな何かを得てくれたらと願っています。
人手不足が叫ばれる昨今ですが井川町役場も例外ではありません。来るものは少なく、逆に新たな人生を求めて旅立つものもいます。職員としてよりむしろ一人の人間として、現代社会の多様化する生き方、考え方に向き合う毎日です。
様々な価値観の前に私にできることは、せいぜい人の話を聞くことくらいのものです。どんなに忙しくとも人の話は親身に聞く。世界平和とまでは言わないけども、せめて自分の目の届く範囲の人は心穏やかな日々を送ってほしい。そう思うのです。
文:総務課 児玉
