- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県東成瀬村
- 広報紙名 : 広報ひがしなるせ 令和7年9月号
■歯を失う原因について
ジュネスデンタルクリニック 小菅 一弘先生 監修
誰しも、「最後まで自分の歯で食べたい」ものですよね。しかし、すでに歯の本数が少なくなってしまった方もいるかもしれません。「8020運動」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標です。もし、ご自身の歯が20本に満たなくても、まだ諦める必要はありません。まずは、なぜ歯を失うことになったのか、その原因を振り返ってみましょう。
2018年の調査によると、歯を失う原因の約3分の2は歯周病(37%)とむし歯(29%)です。次いで歯の破折(18%)が挙げられます。
○歯を失うリスクが高い歯の特徴
・未治療のむし歯
・被せ物をした歯(神経を取った歯が多いため、むし歯になっても気づきにくく、破折や歯周病のリスクが高い)
・部分入れ歯のバネがかかる歯(過度な力がかかりやすく、歯周病になりやすい)
・歯周病が進行している歯
○歯の健康を保つための予防ポイント
・丁寧な歯磨き(歯間ブラシやフロスも活用)
・定期的な歯科健診(2~3か月に1回が理想的)
・食生活の見直し(甘いものの摂取を控える)
・歯ぎしり
・食いしばりの改善(マウスピースなどの使用)
・歯列矯正(歯磨きがしやすくなる)
歯の健康は、全身の健康にも深く関わっています。例えば、歯周病は糖尿病や心臓病、脳血管疾患のほか、認知症との関連も指摘されています。また、よく噛むことは介護予防につながります。もし歯を失ってもしっかり噛める入れ歯を使うことで、自立した生活を長く送ることができます。むし歯や歯周病を予防することは、健康寿命の延伸にもつながります。
周りを見渡してみてください。よく話し、よく食べる人は、きっと元気で生き生きとしているはずです。「口は活きる源」です。ご自身の歯を大切にしましょう。
