- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県大蔵村
- 広報紙名 : 広報おおくら 令和7年6月号
ジェンダーや差別を知るためにおすすめする本を、山形県立図書館で開催された男女共同参画センターチェリアとの連携展示で展示された本やその関連図書のなかからピックアップ!あなたらしい生き方のヒントになるかも。
■差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章
著:キム・ジヘ
大月書店
自分の持つ特権について知る
なぜあらゆる差別は、多数派には「見えない」のか。多数者が変わらずに済むことを優先する社会は少数者の「痛み」を気づかずにいる。自分の傾いた公正性を認識している人は少なく、それによって傷つく人もいる。本当の公正な社会への道筋を知るため、日常の中にありふれた排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考える思索エッセイ。
■差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える
著:神谷悠一
集英社新書
「思いやり」という言葉に逃げないために
「差別をなくすには思いやりが大事です」。しかし思いやりの先まで考えている人はどのぐらいいるだろうか。なぜ差別は「思いやり」の問題に回収され、その先の議論に進めないのか?女性差別と性的少数者差別をめぐる現状の構造を解説、制度について考察していく。
曖昧な「思いやり」を脱し、社会を変えていくために必要な一冊。
■戦争は女の顔をしていない
著:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
岩波書店
今こそ読まなくてはいけない女性と戦争
第二次世界大戦時、100万人を越える女性がソ連軍に従事した。家族のため、国のために看護師や軍医、そして兵士として武器を手にして戦った彼女たちを戦後に待っていたのは、世間からの白い目だった…。自らの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった、500人以上の従軍女性への聞き取りをもとに戦争の真実を明らかにする。
■なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造
著:中野円佳
PHP新書
それぞれが辛い社会をどうするべき?
「仕事と家事・育児の両立に手一杯の共働き家庭」、「家事育児の責任を一手に背負い逃げ場のない専業主婦」、「稼ぎ主プレッシャーと滅私奉公的働き方を課された男性」。こうした共働きも専業もしんどい状況は、日本社会の「主婦がいないと回らない構造」が生み出していた。「共働きも専業もしんどい」社会を読みとき、その変化の兆しを探る。
■これからの男の子たちへ「男らしさ」から自由になるためのレッスン
著:太田啓子
大月書店
性別で「らしさ」を押し付けないために
「男らしさ」の呪いは何歳から始まる?わが子をセクハラ加害者にしないためには?「男らしさ」の押し付けについての気づきを促す。同調圧力の中を生き抜かなければならない男の子たちに対し、「男らしさ」の呪縛に苦しめられてほしくない、という著者。性差別に怒りを燃やしつつ男の子2人を育てる弁護士ママが悩みながら考えた、ジェンダー平等時代の子育て論。
■失われた賃金を求めて
著:イ・ミンギョン
タバブックス
おかしい、と声を上げることの大切さ
「女性がもっと受け取れるはずだった賃金を求めよ」という衝撃的な言葉で始まる本著。男女賃金格差がOECD(経済協力開発機構)でワースト1位の韓国。日本はワースト3位であるから他人ごとでは無いことがうかがえる。失われた賃金を求めるという大きな問いを掲げ、格差の要因を一つ一つ徹底的に追及し、男女の賃金格差に切り込んだ痛快エッセイ。
■カミングアウト LGBTの社員とその同僚に贈るメッセージ
監修:ジョン・ブラウン
英治出版
自分を隠すのをやめてからすべてが変わり始める「世界で最も尊敬されるCEO」に選ばれながら、同性愛パートナーをめぐるスキャンダルで失脚した著者。だがそれは新たな素晴らしい人生の始まりだった。ビジネスリーダーが長きにわたる「自分を隠し続けた」日々とカミングアウトの経験、100人以上のLGBTの人々への取材をもとに語る、職場における性的少数者と周囲の人々へのメッセージ。
■「ふつう」ってなんだ?LGBTについて知る本
特定非営利活動法人ReBit(監修)殿ヶ谷美由記(漫画)
Gakken
自分と他人の「ふつう」について考える。
「男」か「女」で単純に性別を分けられない人が日本には7.6%いるといわれている。この本では性の多様性について正しく学べ、お互いの理解を深められる。日常や学校現場での事例をカラーのマンガと図解で小中学生に読みやすく解説。本人だけでなく,友だち・周りの大人も知っておきたい!「LGBT」に関する疑問や不安にこたえる1冊。