くらし クマ出没注意!!山形県では「クマ出没警報」を11/30まで延長
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- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県大蔵村
- 広報紙名 : 広報おおくら 令和7年11月号
山形県では、「クマ出没警報」(令和7年7月3日~9月30日)を発令し、クマによる人身被害の防止に向け、注意喚起を行っていたところですが、今年は9月以降も過去に例を見ないペースの目撃件数となっており、クマと遭遇する危険性の高い状態が続いています。(図1)
この状況を踏まえ、「クマ出没警報」の発令を、11月30日まで延長しました。
■クマは「におい」を記憶する
全国でクマによる事故が多発しています。山形県では昨年3件だった人身事故の報告が、今年は10月20日時点で既に7件となっています。農作業中や自宅近くで遭遇するケースも少なくない状況で、確実に安全だと言える場所がありません。
クマの嗅覚はイヌと同等かそれ以上に鋭いといわれています。においに敏感であるだけではなく、そのにおいを嗅いだ場所、そこで食べたものや味を記憶することが得意です。人里で生ごみや果樹などを拾い食いしたことがあるクマは、また食べようと何度も同じ場所にやってきます。生ごみや果樹等の木は放置せず、適切な処理をしましょう。
■目は悪いが動くものは見える
クマの視力はあまりよくありませんが、動くものを追う習性があります。クマと遭遇してしまったとき、走って逃げるとクマは本能的にその背中を追いかけてしまいます。見通しの悪いやぶや山の中でばったり遭遇してしまったら、まずはじっとして、クマに背を向けず向き合ったままゆっくりと遮蔽物となりそうな木の陰などに移動しましょう。
■顔が狙われる
クマが立ち上がり、攻撃態勢に入ったときに人間の顔にちょうど爪が当たる高さになります。またクマ同士で戦う際にも顔を狙う習性を持つため、けがをした多くの人が顔にけがを負っています。最初に爪で一撃、さらに噛みついて攻撃をするというパターンが報告されており、秋田大学附属病院の報告では傷病者のほとんどが上半身にけがを負っていました。

■防御姿勢をとる
万が一、クマに遭遇し、クマが逃げずに向かってきたら、防御姿勢を取ることが有効だといわれています。地面にうずくまり、首の後ろや頭を手やリュックなどで守ります。クマに襲われてけがをしたひとの多くが「気づいたらクマはいなくなっていた」と証言をしたことから、ある程度の攻撃を与え、戦意が無いことを確認するとその場を去る傾向があることがわかりました。防御姿勢で耐えることしか現状では打開策がありません。
■クマに出会わない努力
林の近くの畑や、山の中など、クマに遭遇するリスクは常にあります。クマの子育て状況、食糧事情など、人里にクマが現れる要因は複雑に絡み合っています。強いにおい、カロリーの高いものを好むクマを誘引しないように心がけることも、事故を防ぐために必要です。また情報を収集し、クマが活動する早朝、夕方を避ける、常に音を出して存在を示すことも有効です。クマと適切な距離を保つために、できることから始めてみましょう。
▽参考文献
「クマ問題を考える」田口洋美著
「クマにあったらどうするか」片山龍峯著、
「図解眠れなくなるほど面白いクマの話」山崎晃司著
「クマから逃げのびた人々」三才ブックス編集
■クマの測り方のはなし あれやこれや
ニュースなどでよく聞く「体長〇〇センチメートルのクマが…」という言葉。クマの体長とはどのように測るかご存じですか?
目撃した個体については目測でしか図るすべがありませんが、駆除をしたクマは市町村職員や猟友会によって体長などが計測され、データとして保存します。その計測方法についてみてみましょう。
(1)体高…肩から足までの垂直な高さ。
(2)体長…鼻先からしっぽの付け根までの長さ。
(3)全長…クマの鼻先からしっぽまでをまっすぐにしたときの鼻先からしっぽの先までの長さ。
駆除した後、安全を確保してから性別、体重(はかりで計測)、推定年齢、胃の内容物、全長、前足、後ろ足の大きさを測ります。胃の内容物を確認することで、クマの食性を知ることができます。
前足と後ろ足の幅、長さも測定します。ツキノワグマは10センチ程度の個体が多いですが、北海道で有名になったヒグマ「OSO(オソ)18」は手の幅が18センチあると言われたことからその名がつけられ、その巨大さが伺えます。
▽山形県のクマ情報
山形県ホームページでクマに関する情報がまとめられています。ぜひ一度ご確認ください。
近隣県の情報などもまとめられています。
■あなたもハンターになりませんか
村内各地でも野生鳥獣の出没が相次いでおり、農作物被害も確認されています。新たな捕獲の担い手を確保・育成することで農林業被害を軽減・防止するため、大蔵村では狩猟免許の取得及び銃等の購入費用の一部を補助しています。要件を満たす方は産業振興課までぜひ申請してください。
対象:申請時に村内に住所を有する65歳以下の方で、新たに狩猟免許を取得し、狩猟者登録を行った方(ただし更新は除きます)
申請書類:
・取得した狩猟免状
・鉄砲所持許可証
・狩猟者登録証
・対象経費の領収書
申請期限:令和8年3月31日(火)
▽狩猟免許の取得や銃の購入に対して補助が受けられます

問合せ:産業振興課農地係
【電話】75-2105(内線233)
