文化 東北芸術工科大学の学生が菅(すげ)笠づくりを体験

山形県を代表する夏の風物詩「山形花笠まつり」。その華やかな踊りを支えるのが伝統の菅笠。次世代への技術伝承と文化の理解を目的として、9月12日と13日の2日間、東北芸術工科大学で花笠踊りに取り組む団体「チーム桜」のメンバーが中津川地区を訪れ、菅笠づくりを学びました。講師は、60年以上にわたり菅笠を作り続けている伊藤よしさん(岩倉)と息子の和憲さん。学生たちは2日間かけて直径30センチほどの菅笠を仕上げました。細やかな手作業が続く中で、学生は「実際に作ってみると想像以上に難しく、完成までの道のりの長さを実感した」「菅笠づくりの工程を体験し、菅笠の重みや価値を改めて感じることができた」と、作業の大変さを口にしていました。
中津川地区の菅笠づくりは、農閑期となる冬場の貴重な収入源として多くの人が携わっていました。しかし、現在はわずか数人にまで減り、後継者不足が深刻な課題となっています。菅笠づくりの知恵と技を未来につなげるには、このような若い世代の関心と行動が重要です。学生たちは菅笠づくりを通して、伝統技術の大切さや継承することの必要性を感じ取っていました。