しごと ふくしまモノ作り百科

■玉羊羹(たまようかん)[二本松市]
江戸の製法そのままに練り上げる小さな羊羹に込められた深い味わい

二本松を代表する銘菓「玉羊羹」は、市内の老舗菓子舗「玉嶋屋(たましまや)」が生み出しました。「日中戦争が始まった1937年、当時の県知事と軍から慰問用の羊羹を依頼され、先々代が考案しました。携行できる形状で日持ちがするもの。何より兵士の皆さんが出来たてのおいしさを味わえるようにと、試行錯誤を重ねたそうです」と代表取締役社長の和田雅孝(わだまさたか)さんは言います。「当店では今でも薪(まき)を燃料に羊羹を練り上げ、一つ一つ手作業でゴムに注入しています。手間暇はかかりますが、おいしさには替えられません」と揺るぎない信念をのぞかせます。「現在は定番の小豆(あずき)のほか、抹茶(まっちゃ)や桃の玉羊羹も作っています。江戸時代から伝わる製法は守りながらも、現代に合った味や形を追求したいです」と熱意をにじませ話していました。

問合せ:玉嶋屋
【電話】0243-23-2121
二本松市本町1丁目88