- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県いわき市
- 広報紙名 : 広報いわき 令和7年12月号
■整形外科医療録(9)
▽足趾(そくし)の変形と痛み
足や足の指(足趾(そくし))の痛みは、靴を履く時間の長い現代社会では多く見られます。代表的な疾患には、最も内側の足趾(母趾(ぼし))が外側に曲がってしまう外反母趾(がいはんぼし)があります。足の前方部の横のカーブが低くなり、足趾の付け根の骨(中足骨)の前方が広がります。一番内側にある母趾は、付け根の中足骨と足趾の関節から外側に曲がります。変形が強くなると先端部が回旋し、2番目の足趾に重なるようになることもあります。付け根の関節が内側に出っ張り、腫れたり赤くなったりして痛むようになります。
女性に多く(男女比1:10)、その原因は、遺伝、靴の影響、足部の筋力の低下が挙げられています。先端が細い靴やヒールが極端に高い靴は、変形や症状の悪化をきたす可能性があります。見た目ではなく、足の形態にあった、機能的に無理のない靴の選択が大切です。
また、足の中にある筋肉を鍛えることも大切で、足趾でのじゃんけんやタオルを引き寄せる運動が有効です。
■けんこうQ and A 腎臓内科(9)
▽透析ってどんな治療?~腎不全になったら~
腎臓の機能が極端に低下した状態を「腎不全」といいます。このような状態に陥ると「透析」または「腎移植」といった治療が必要になります。今回は透析についてご紹介します。
透析には「血液透析」と「腹膜透析」の2つの方法があります。血液透析は、血液を体外に取り出して機械でろ過し、きれいにしたうえで体内に戻す方法です。通常は週3回、1回あたり4~5時間かけて行われます。治療を受けるには、腕などにバスキュラーアクセスと呼ばれる血液を取り出すための血管手術が必要になります。
一方、腹膜透析は、自分の腹膜(おなかの中の膜)を使って血液を浄化する方法です。腹腔内に透析液を注入し、一定時間後に排出することで、老廃物や余分な水分を除去します。自宅で行えることが多く、自分の生活スタイルに合わせた治療が可能です。
透析は一生続く治療と捉えられがちですが、透析を受けながら、旅行や趣味を楽しむ方も少なくありません。大切なのは、透析が必要な状態に至る前から、腎臓の健康を守る意識を持つことです。
◇かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201
