文化 おしえて博物館-七十五-

『恐竜化石を探せ!』

福島県の浜通り地方は恐竜時代の化石が産出することがよく知られています。
有名なのがいわき市のフタバスズキリュウで、恐竜がいた時代の中生代白亜紀の地層から発見されました。
その白亜紀よりも一つ古い時代がジュラ紀で、映画の「ジュラシック・パーク/ワールド」シリーズの名前にもなっていますが、実は南相馬ではこのジュラ紀の化石がたくさん見つかっているのです。その中で新種の化石として発表された種類も1つや2つではなく、植物化石やアンモナイトなど、平成以降だけでもその数は11種類に及びます。そして、現在も次なる新種とみられる化石の研究が続けられています。
さらに南相馬の化石産地の奥深さはそれだけではありません。なんと市内からは恐竜がいた証拠となる化石が複数の場所から発見されているのです。
写真の化石は鹿島区小山田地区から見つかった恐竜の足跡の化石です。恐竜の本体(骨など)の化石ではないものの、間違いなくこの地域に恐竜が生息していたことを示す標本です。この化石が見つかった場所は、現在は「恐竜の足跡化石産出地」として市の天然記念物に指定されています。その後、また別の場所からも足跡の化石が見つかっており、南相馬ではこうした化石がまだまだ見つかる可能性があります。
博物館では現在、恐竜の痕跡を探す調査を福島県立博物館などの専門の先生方と協力して進めています。今後の発見によっては南相馬の新たな一面が分かるようになるかもしれません。また、こうした発見のためには、地域の方々のご理解が不可欠です。
今年度は恐竜についての講演会も実施する予定ですので、ぜひご参加ください。

問合せ:市博物館
【電話】23-6421