健康 健康がもっと楽しくなる健康コラム 第38回

■今回のテーマ「村の糖尿病の現状」
○HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは
村の健診では、糖尿病予防のための指標として、糖の値をHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値で確認しています。
HbA1cは、過去1~2ヶ月間の血糖値の平均を表した値のことです。
HbA1cの値によって、下のとおり、糖尿病に関して自分のからだがどのような状態なのか、把握することができます。
・5.6%未満…平常域
・5.6%以上6.5%未満…糖尿病予備群
・6.5%以上7.0%未満…糖尿病域
・7.0%以上…合併症の危険が高まる

○村の現状
村の令和5年度特定健診の結果では、HbA1cが基準値(5.6%)より高い人の割合は、60.6%でした。[図1]のとおり、福島県全体よりは低い割合ですが、全国と比較すると2.5ポイントの差があります。
また、村の令和5年度外来医療費における疾患別割合([図2])では、糖尿病が12.3%を占めており、外来医療費の中でも上位となっています。なお、腎不全で透析を行うことになった人の原因で一番多かったのは、糖尿病の合併症である、糖尿病性腎症でした。

・[図1]特定健診を受けた方のうち、HbA1cの値が5.6%以上の人の割合(%)

(令和5年度KDBシステムより)

・[図2]村の外来医療費における疾患別割合(%)

(令和5年度KDBシステムより)

○糖尿病にならないために
血糖値が高いと、全身の血管を傷つけます。放っておくと動脈硬化が進んで全身の血管に障がいが出るようになり、HbA1cの値が7.0%以上になると、糖尿病の合併症の危険も高まります。
主な合併症:
・毛細血管が傷ついて起こるもの…糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害
・太い血管が傷ついて起こるもの…脳梗塞、狭心症、心筋梗塞
予備群の段階で生活習慣(食習慣や運動習慣など)を改善することによって、糖尿病へ進行するのを予防することができます。
・血糖値が高い方でまだ病院を受診していない方は、健診結果を持って病院を受診しましょう。
・糖尿病で治療中でも、血糖のコントロールが良くない方がいます。
治療目標は、年齢・罹患期間・基礎疾患・低血糖の危険性・サポート体制等を考慮して、個別に設定されています。血糖をコントロールするためには、治療を継続し、薬をきちんと飲むだけでなく、食事や運動、飲酒などの生活習慣を改善することも大切です。

次回も、「糖尿病」をテーマにご紹介します。
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