- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県宇都宮市
- 広報紙名 : 広報うつのみや 2025年7月号 No.1792
ID:1008394
一生現役
二人三脚の空手人生
田さき 俊哉(たさき としや)さん
プロフィール:高校生から空手を始め、日本スポーツマスターズで準優勝、全日本実業団空手道選手権大会で優勝を飾るなど、数々の大会で輝かしい成績を収めている。
今年5月、台北市で開催された世界大会「ワールドマスターズゲームズ2025」。空手競技に出場した田さき俊哉さんが、型65歳以上Competition(コンペティション)部門で優勝しました。
ワールドマスターズゲームズは、4年に1度開催され、中高年のアスリートが参加する国際的なスポーツ大会です。さまざまなスポーツ競技が行われ、世界各地から数万人の参加者が集まります。空手競技には、組手と型の2つの部門があり、組手の部門は、2人の選手が一対一で闘う対戦形式の空手です。田さきさんが出場した型の部門は、一人で行う演武で、仮想の相手への攻撃と防御の動きを組み合わせた一連の技の連鎖を表現するものです。この演武は、技の正確さ、スピード、力強さなどを審査の基準としています。
本大会を「マットの上に立った時、妻や家族、先輩、先生方への感謝を忘れないように心掛けていた。また、日本人としての礼節と武道の心を持ち、相手への敬意を示すことを意識した」と振り返ります。
田さきさんは高校生の頃、当時流行していた「燃えよドラゴン」の主演俳優「ブルース・リー」や「空手バカ一代」を見て「強くなりたい」という憧れから、空手を始めました。普段は空手道教室で子どもたちの育成に取り組みながら、自分の練習に励む田さきさんですが「日々の練習に本気で取り組み、息切れして苦しいときほど、生きている実感がする。この感覚を味わえるのも、妻の支えがあってこそのもの。57歳で出場した全日本実業団の試合では、闘病中の妻が応援に駆けつけてくれ、優勝メダルを妻にかけてあげることができたので、一番の思い出になっている」と日頃からの感謝の思いを語ります。
今後の目標について、「次回のワールドマスターズゲームズも出場したい。今年度出場していた選手との再会を楽しみにしている」と笑顔で語ります。また、「一日の練習で自分に負けず、納得のいく演武をしたい。そして、子どもたちの成長を見守るためにも、生涯現役でいたい」と意気込みます。
田さきさんはこれからも、「一生現役」を目標に掲げながら、終わりのない空手人生に、夫婦二人三脚で挑み続けます。
※「田さき」の「さき」は環境依存文字のため、かなに置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。