くらし 特集 水道と下水道
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- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県那須塩原市
- 広報紙名 : 広報なすしおばら 令和7年5月20日号(ナンバー434)
■[第1回]水道と下水道の仕事
(水道と下水道の今、そしてこれからを紹介します。)
※図など詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。
▽水はめぐる─
私たちが生きていくために欠かせない水。
水は、地球上のあらゆる所を、すがたを変えながら循環しています。
川や海の表面からは、つねに大量の水が蒸発し、雲を形作り、雨や雪を降らせます。
雨や雪になって降った水は、山や森に蓄えられ、やがてダムや川にそそぎこみ、ふたたび海に戻ります。
私たちは、この水の循環による恵みを受け取って、暮らしています。
▽水を届けるために水を返すために─
水を循環させるためには、安全で安心して飲める水道水を作る「浄水」と、使って汚れた水をきれいにするための「汚水処理」が必要不可欠です。
市の水道事業は昭和9年9月に開始し、現在は地下水を含めた16カ所の自己水源と県営北那須水道用水供給事業から浄水(水道水)の供給を受けて、区域内に1日約4万2千トンの水道水を供給しています。
下水道事業は黒磯地区が最も早く、昭和55年度に処理を開始しました。現在では、公共下水道事業計画面積のうち41%の整備が完了し、1日に約2万7千トンの汚水を処理しています。
普段はあまり意識していないかもしれませんが、上下水道の役割は多岐(たき)にわたります。
特集(シリーズ)では、水の供給から排水処理の仕組み、老朽化対策の現状、そして未来に向けた取り組みまで、分かりやすく紹介します。
■水道水を守るために 安全安心な水を届ける水道事業
▽水質の管理
検査をする項目は水道法で決まっていて、原水15カ所、浄水38カ所の検査を専門の水質検査機関が行っています。
浄水場の出口から給水栓(蛇口)の間では、水道水の色、濁り、消毒の残留効果の検査を毎日1回行い、水道水の安全を確認しています。
・河川などの水源から取り入れた水のチェック
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・浄水場でのチェック
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・蛇口から出る水道水のチェック
▽現場では
新しく水道管を設置する工事や、古くなった水道管を取り替えるための工事などを行っています。
また、水道管から水が漏れていないかどうかを調査して、漏れている場合は修理するなどの維持管理を行っています。
・老朽管の更新
・漏水発見器による調査
・個別音聴検査
▽水道メーターの検針
皆さんの家にある水道メーターを見て、どのくらい水を使ったかを確認します。
これを検針といいます。
市では2カ月に1回検針を行った後に、使った水の量から水道や下水道の料金を計算します。
▽水道週間
6月1日~7日は水道週間です。
「透き通る 誇れる水に 感謝する」(第67回水道週間スローガン)
私たちの生活に欠かせない水。この機会に一緒に水のことを考えてみませんか。
また、水を大切に使うために、家庭の水道管や蛇口の漏水(ろうすい)も確認してください。
■下水道の役割 暮らしの衛生と環境を守る下水道事業
●下水道の整備・普及
計画に沿って下水道管をつくっています。
市の下水道管を全部つなぐと約540キロメートルです。
また下水道管と併せて、マンホールやポンプ施設なども整備しています。
下水道管などには、汚水のほかにも土砂やごみなどいろいろなものが流れてきます。詰まったり、壊れたりしないよう点検・清掃・修理をしています。
▽本市の下水道[普及率](令和7年3月31日現在)
下水道に接続できる区域以外は、浄化槽を設置することになっています。
現在の浄化槽はとてもコンパクトですが、生活排水の汚れを10分の1程度に減らし、下水道の水処理センターと同じくらいに水をきれいにすることができます。
浄化槽の管理には、定期的な保守点検や清掃の実施が必要です。
●汚水の処理
市には「黒磯水処理センター」と「塩原水処理センター」の2カ所の下水処理場があります。
黒磯水処理センターは昭和55年から、塩原水処理センターは昭和61年から稼働しています。きれいになった水は那珂川と箒川へ放流しています。
汚水は24時間休みなく流れてきます。そのため、水処理センターでは、汚水を処理する機械が1日中動いています。
また、処理した水が川や海を汚さないように法律で定められた水質の基準を守れているかどうか、処理の状態や処理した水の検査をしています。
●雨水の処理
下水道は、浸水対策の役割も担っています。
雨水が道路側溝などでは排水しきれずに、地表に溜まって浸水が発生することを「内水氾濫(ないすいはんらん)」といいます。降った雨水を下水道で河川に放流することで、内水氾濫を防いでいます。
近年、気候変動の影響から大雨が頻発することで下水道への負担が増加し、内水氾濫による被害(内水浸水)が発生するリスクが高まりつつあります。被害を防ぐために管路などの整備が必要ですが、そのためには膨大な費用と時間がかかり、すぐには整備しきれないのが現状です。そこで、内水浸水への備えのため、「内水浸水想定区域図」を作成しています。
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問い合わせ:[西]管理課
【電話】0287-37-5109