くらし 市長コラム

■第6回　小さな大大名
さくら市長　中村卓資

合併してさくら市となって20年目を迎えているが、旧喜連川町は江戸まで遡ると、この地を治めていた喜連川藩が始まりである。その喜連川藩は、大名や旗本の経済規模、軍役を決める基準であった石高が小さいにもかかわらず、他の石高の大きい諸藩の大名と同等の厚遇を受けていたとされる。それは足利尊氏のながれをくむ源氏の末裔であったということが大きく、「公方様」、「御所様」などと呼ばれていたそうで、これまで「小さな大大名」というキーワードで書籍化もされている。
そうした足利氏に縁やゆかりのある団体、寺院などが加盟している「全国足利氏ゆかりの会」という組織があり、本市も加盟している。毎年、加盟する自治体のどこかが会場地となり、総会を開いているが、今年は本市が会場であった。
ミュージアムでの展覧会「喜連川家文書」の観覧や喜連川公方太鼓の演奏、そして足利家の眠る龍光院での法要、喜連川の街並み散策などで全国からの参加者を歓迎したが、総会開催に合わせるように、過日、新たに「喜連川藩」という書籍が刊行された。まだ読破に至っていないが、遥か遠い昔のこの地やその藩主に思いをはせながら、読書に勤しむのも悪くない。

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