くらし ≪特集≫あなたの行動で未来が変わる!?エシカル消費(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県那須烏山市
- 広報紙名 : 広報なすからすやま 2025年5月号
普段の生活に欠かせない買い物。お店には毎日たくさんの商品が並び、私たちは好きなものを選んで買うことができます。そんな日常の買い物の視点を少し変えることで、世界の未来を変えるきっかけとなることを知っていますか。
その方法が「エシカル消費」です。言葉だけを聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。誰にでも、今日からできる地球にも人にも優しい選択、「エシカル消費」を始めてみませんか?
◆エシカル消費って?
エシカルとは、直訳すると「倫理的・道徳的な」という意味で、「エシカル消費」とは、人や社会、地域、環境に配慮した消費行動のことです。自分以外の誰かや地域社会、自然環境などを思いやる「思いやり消費」、「応援消費」と言われることもあります。例えば、買い物をするとき「安い」や「お得」といった基準だけで選ぶのではなく、その商品を買うことで「世界にどんな影響があるか」を意識して買い物をすることが、エシカル消費の考え方です。
消費者庁が実施した「令和6年度第3回消費生活意識調査(全国の15歳以上の男女5,000人を対象に実施)」によると、「エシカル消費」という言葉と内容のどちらも知らない人は、全体の7割以上を占め、認知度や実践度はいまだに高いとは言えません(グラフ1・グラフ2)。
◆「商品の向こう側」を意識したことはありますか?
私たちが買い物で手に入れる商品は、誰かがどこかでつくり、運んできたものです。食品であれば、原材料を生産する農家や製造工場で働く人、トラックで店舗まで輸送する運転手など、私たちの手元に届くまでには多くの人が関わっています。
皆さんは、商品がどこで、誰が、どのようにつくったものかを考えたことはありますか。生産や製造、輸送といった私たちが想像しづらい「商品の向こう側」に目を向けて、人や社会、地域、環境に優しいものを選ぶことがエシカル消費です(グラフ3)。
◆エシカル消費の3つの配慮
エシカル消費は「人・社会」、「地域」、「環境」に配慮した消費として分類されます。
(1)人・社会への配慮
原材料の多くを生産する発展途上国には、安い賃金で働き、十分に生活することができず、貧困に苦しむ人たちがいます。中には、労働者として働き、学校に通えない子どもがいるのも事実です。
商品の向こう側に隠された物語を想像し、人・社会に配慮された商品を選ぶことで、より多くの人が持続可能な生活を送れるようになります。
(2)地域への配慮
遠方で生産・製造された商品をインターネットを通じて、いつでも、どこでも、好きなだけ購入できるネットワークが私たちの生活の中に浸透しています。
一方、私たちの住む日本は、豊かな自然に加え、多様な気候や地形の影響で、全国各地でその土地特有の産物がつくられたり、様々な地域社会が育まれたりしてきました。「簡単」、「便利」に購入できることは魅力的ですが、「地域の振興」も買い物をするうえでは大事な視点のひとつ。地元の食材を「選ぶ」ことや地元の商品を「買う」ことは、地元を「応援する」ことにつながります。
(3)環境への配慮
大量生産・大量消費・大量廃棄の暮らしによって、地球温暖化や海洋汚染などが発生し、生態系が破壊されているほか、エネルギー資源が減少し、異常気象による農作物への被害なども深刻化しています。
地球環境の現状や問題を「自分とは関係ない遠い話」と見過ごすのではなく、より良い未来に向かって、一歩を踏み出しましょう。