- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県上三川町
- 広報紙名 : 広報かみのかわ 2025年9月号
現在、町内にある県立高校は上三川高校の1校ですが、上高ができる前にも高校が存在した時期がありました。
1947(昭和22)年の学校教育法の改正により、戦前からあった青年学校が廃止され、働きながら学ぶ青少年のための教育の場を設けることが全国的に訴えられ、高等学校定時制の設立が相次ぎました。
そのような中、真岡農業高校上三川分校は、戦争で荒廃した農村を振興させ食糧の増産を図るという当時の切実な願いから、1952(昭和27)年に上三川小学校内に開校しました。初年度の生徒数は、農業科32人、農村家庭科9人の計41名でした。この定時制の教育は週5日制(週30時間)で、生徒に「考える」「創造する力」を養わせることを主要な目的としました。
町は開校当初から援助協力を続け、1956(昭和31)年に校地を購入し、翌年1月に新校舎が完成して移転しました。
定時制高校在学生の学習意欲は高く、学習や体育に熱心に取り組んでいたそうです。バレーボール県大会で優勝、フットボールやソフトボールの県大会で準優勝をするなど、体育においても優秀な成績を残しています。
このように、年ごとに施設が整備され教育内容も充実していた定時制でしたが、1960(昭和35)年ごろからの若者の都会への流出など社会的要因により、だんだん生徒数が減少し、1962(昭和37)年に上三川分校は本校に統合される形で廃校となりました。
問い合わせ先:生涯学習課 文化係
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