くらし 【号外】祝 栃木県ドクターヘリ運航開始15周年

壬生×獨協 Medical Town MIBU

平成22年に救命救急センターである獨協医科大学病院を基地病院として運航を開始したドクターヘリが、本年1月に運航15周年を迎えました。
3月11日(火)には記念式典が開催され、獨協医科大学、栃木県、壬生町等の関係団体から約70名が出席し、運航の節目を祝いました。
現在同大学病院の救命救急センターには、15名のフライトドクターが所属し、フライトナースおよび操縦士の皆さんとともに、午前8時30分~日没の30分前まで出動要請に備えています。
運航開始から15年、年間出動件数は平成27年度の916件を最多に現在は年間600件程度出動し、昨年11月には総出動件数10,000件を超えるなど、多くの県民の生命を救ってきました。病院東側のヘリポートから発着するドクターヘリの姿は町民の皆さんにとっては当たり前の風景になっているのではないでしょうか。
そして、小児科から見える出動に備えるヘリコプターの姿は通院するこどもたちを勇気づけてくれています。

獨協医科大学病院救命救急センター・集中治療センターに所属する菊池仁(きくちじん)栃木県ドクターヘリプロジェクトリーダーに、これまでの活動を振り返ると共に『未来』への意気込みを語ってもらいました。

『1秒とは言いませんが、1分を争っている重篤な救急患者さんがいます。それが、皆さんの家族や大切な人だったらどうでしょうか。たった数分の差で未来が変わってしまうことがあります。ドクターヘリはその大切な未来のために飛んでいます。劇的に救命した、後遺症軽減で社会復帰できた患者さんがいます。
一方ですべての人を救えるわけではありません。もしそうなら、私の仕事は最高と子ども達にも胸を張れます。たくさんの悲惨な現場に行きました。救えなかった命もあります。だからこそ私たちドクターヘリチームは日々研鑽をつみ、常に救命のために最大限の努力をしています。近隣住民の皆さん、朝早くから日没までドクターヘリの音をご不快に思われる方もいるかもしれません。どうか“命をつなぐ翼”だとご理解いただき、今後ともよろしくお願い申し上げます。』

■ドクターヘリとは?
ドクターヘリは、救急医療に必要な医療機器と救急専門医・看護師を乗せて救急現場等に出動する救急専用ヘリコプターです。
医師による速やかな治療の開始や医療機関への迅速な搬送が可能となり、救命率の向上や後遺症の軽減が期待できます。
ヘリの飛行スピードは時速約200km、消防機関からの要請から4分以内に離陸し、県内全域を約20分でカバーするなど、高い機動性と迅速性を誇ります。

栃木県ドクターヘリはこれまでに一度の事故も起こさず運航を続けてきました。
今後も引き続き、県民の安全・安心を守る象徴として、活躍を祈念します。