文化 読み継ぐ群馬の誇り 〜上毛かるたで巡るふるさと〜(1)

あなたは上毛かるたの札をどれくらい覚えていますか?
県が7年に実施した県民アンケートでは、読み札全44枚の半分以上を覚えている人は全体の約5割という結果でした。その中で10〜20代が最も少なく、約4割にとどまっています。一方で、札を多く覚えている人ほど群馬県への愛着が深まったという結果もあり、県では多くの人が上毛かるたに触れられる機会づくりに取り組んでいます。
このお正月に、郷土に誇りを持ち愛着を深めてもらうきっかけとなるよう、上毛かるたを今、改めて紹介します。

■誕生の背景と歴史
昭和22年、戦後間もない中で、群馬の子どもたちが明るく楽しめるものを作りたいという思いから上毛かるたが誕生。読み札は公募題材をもとに18人の編集委員がまとめ、絵札は小見辰男氏が作成しました。その後、昭和43年に現在の絵札へ一新されました。
GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の検閲がある中、札には群馬を代表する自然や歴史、偉人などが題材に選ばれました。学校や地域行事を通じて、次第に県民の共通の文化として定着。多くの人々に親しまれ、来年80周年を迎えます。

◇昭和42年まで発行の絵札
出典:「知れば、もっとぐんまが好きになる!「上毛かるた」で見つける群馬のすがた」
デジタル版(令和4年度改訂版)はこちらから閲覧できます
※二次元コードは本紙をご覧下さい。

■札でたどる、群馬を巡る
上毛新聞で5年10月から昨年9月まで上毛かるた全44枚について連載した「上毛かるたを歩く」。その執筆を担当した同社の相談役・内山充さんに、札の奥深さや魅力について伺いました。

◇上毛新聞社
相談役 内山 充さん
昭和52年上毛新聞社入社。編集局長、代表取締役社長・主筆、取締役会長などを経て、昨年6月に相談役に就任。

◇札に込められた思いを探して
上毛かるた一枚一枚の札の背景を知りたいという思いが強くなったのは、新聞記者になってからです。
子どもの頃は特別熱心に取り組んでいたわけではありませんでしたが、それでも読み札はずっと頭に残っていて、すらすら言える。それが不思議でした。そこで札に込められた思いを探るため、実際に現地で44枚の札と向き合う連載を始めました。

◇「雷と空風 義理人情」
一枚一枚の札を調べていくと、44枚それぞれに息づく群馬の歴史や文化が見えてきました。例えば、上毛かるた制作時には、小栗上野介忠順などの偉人たちも取り上げる案がありましたが、GHQの検閲により札に採用することはできませんでした。そこで「雷と空風 義理人情」に偉人たちへの敬意や思いを重ね合わせて表現しました。またこの読み札を赤くし、箱を開けた時一番上になるよう、いろは順を並び換えたことには、GHQの検閲に対する静かな抵抗の意味が込められています。

◇楽しみながら知る群馬の魅力
このように札に込められた思いを知ると、上毛かるたは子どもだけではなく、大人にとっても群馬を学ぶきっかけになります。また人口に合わせて読み札が更新される「力あわせる190万」のように「自分の頃は○○万だったよ」と世代を超えた会話のきっかけになる札の存在も、上毛かるたならではの魅力です。
私自身は「歩く」ことを大切にし、札の場所を訪れ、現地の風景や人々の話から上毛かるたの奥深さや面白さに触れてきました。子どもも大人も、それぞれの楽しみ方で群馬を知ることができる、それが上毛かるたの良さだと思います。
ぜひ皆さんも、上毛かるたの札の奥深さに触れるとともに、群馬の魅力を再発見しに出掛けてみてはいかがでしょうか。

■全域マップ
出典:ガイドマップ「上毛かるた」ゆかりの地 文化めぐり
※詳細は本紙をご覧下さい。

問い合わせ先:県庁文化振興課
【電話】027-226-2593