くらし 今、できることから始めよう 〜自分サイズな脱炭素〜(1)

地球温暖化の進行を抑えるため、県では2050年までに温室効果ガス※の排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」な社会を目指しています。その実現には、再生可能エネルギーの有効活用と併せて、個人の「脱炭素」の取り組みが重要です。
今回は、近年の気候変動の状況や、個人でできる脱炭素の取り組みについて紹介します。
※二酸化炭素など、赤外線を吸収・再放出する性質を持つガス

■前橋地方気象台の調査官に聞いた!近年の気象について
前橋地方気象台
調査官 坂間 智子さん

◇今年の夏は歴代最高気温を更新
8月に、伊勢崎市で国内の歴代最高気温となる41.8℃を観測しました。また県内で猛暑日や日最高気温が40℃以上を観測した延べ地点数が最多となるなど、数多くの記録を更新しました。
総務省消防庁の統計データによると、今年、県内における熱中症による救急搬送者数は1958人にも上りました。
この夏のような記録的な暑さには、年々進行している地球温暖化の影響があります。

ここ数年の夏の平均気温が著しく上がっているのが分かります。
皆さんが子どもの頃と比べ、どれくらい平均気温が上がっていますか?

◇2つの気候変動対策
温室効果ガス濃度の増加によって気温や海水温が上昇しています。また極端な高温や大雨などの発生頻度も増えています。
さらなる地球温暖化の進行を抑えるためには、省エネに取り組んだり、二酸化炭素を吸収する森林を増やしたりするなど、緩和策をより一層進めていくことが大切です。
その一方で、既に地球温暖化は進んでいるため、夏場の熱中症対策や大雨による災害対策、越冬した害虫対策など、現在の環境に適応することも必要です。

緩和とは? 原因を少なく
適応とは? 影響に備える

■ご存知ですか?個人住宅向け再エネ導入支援策を紹介!
群馬県は年間の日照時間が全国上位で、太陽光発電に適した地域です。県では、個人住宅への太陽光発電設備や蓄電池の設置を支援することで、再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいます。

◇低利融資
(住宅用太陽光発電設備等導入資金)
設備を導入しやすくするため、県と金融機関が連携して低利の融資を実施しています。
電気自動車の購入も対象となる場合があります。

◇共同購入
県と協定を締結した支援事業者が、設備の購入希望者を募り、施工事業者へ一括発注します。
個別に導入するよりも安価な費用で導入することを目的としています。
※今年度参加登録世帯数は992世帯でした(今年度の募集は終了)

◇補助金
(再エネ導入支援事業費補助金)
・太陽光発電設備
世帯当たり7万円
・蓄電池
補助対象経費の3分の1
※今年度の募集は終了

■環境配慮の目印「デカボスコア※」
「デカボスコア」とは、商品やサービスの排出二酸化炭素相当量の削減率を表す指標のことです。
県では今年度このデカボスコアを県内企業の商品やサービスに表示する取り組みを支援しています。
環境に配慮した企業の努力を数値として分かりやすく表示していますので、マークを見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。
「ぐるりいちご」…従来より生産から出荷までの二酸化炭素排出量を27%低減させています
県ホームページで取り組みの内容を紹介しています
※Earth hacks(株)が提唱する指標です