文化 動物園 よもやまばなし(13)

◆アジアゾウのイズミから、レッサーパンダへ
動物調整・工事・樹木管理担当 菅野 達也(かんの たつや)主任技術員
桐生が岡動物園では、平成29年まで、メスのアジアゾウを飼育していました。「岡公園のイズミちゃん」と呼ばれ、みんなからとても慕われていました。
イズミは、昭和39年に、当時9歳で入園し、体高が2メートルほどだったそうです。イズミは、来園者に見せる愛きょうのある姿とは裏腹に、飼育員に向ける、人を観察するかのような鋭い視線が印象的でした。
52年間という長い年月を桐生が岡動物園で過ごし、61歳で亡くなった時、国内のアジアゾウのメスのなかで、最長寿でした。
亡くなった後、献花台やメッセージカードの記入場所を設けたところ、ゾウ舎の室内観覧室に飾りきれないほどたくさんのお花やメッセージカードが寄せられました。メッセージの中には、「親子三代で会いに来ていました!」というものも多く、イズミと来園者のつながりの強さを改めて実感した出来事でした。
その後、ゾウ舎は解体され、跡地にはレッサーパンダ舎が建設されました。
レッサーパンダは、暑さに強くない動物のため、桐生の猛暑を考慮し、冷房のきく室内展示場を広くとった動物舎になっています。
レッサーパンダは、全国の動物園が協力して血統管理がされているため、現在飼育している4頭は、北は北海道、南は静岡県から、はるばる桐生までやってきてくれました。愛らしい外見や仕草から、新たな動物園の顔として人気を得ています。
3月には新しいカピバラ舎も完成するなど、時代とともに当園も少しずつ変化しています。そうしたなか、より一層、地域に根差した動物園となれるよう、尽力できればと思います。

問い合わせ:未来へはばたけ山田製作所桐生が岡動物園
【電話】22-4442