文化 おしえて「文化財」

■野本村の高札(太政官制札)
高札(こうさつ)(制札(せいさつ))とは禁止事項や新たな法令などを広く周知するために掲示された看板です。江戸時代には、人の目につきやすい橋のたもとや町の出入口、村役人宅の前などに掲示され、こうした場所を「高札場(こうさつば)」と呼びました。
このたび、個人の方より寄贈を受けた高札は、慶応(けいおう)4年/明治元(1868)年3月に掲示された、いわゆる五榜(ごぼう)の掲示の第四札に該当するものです。五榜の掲示とは太政官(だじょうかん)(明治政府)が民衆に出した5つの高札の総称で、第四札は、国際法(万国公法)の尊重や外国人への加害禁止を記しています。背面には「野本村(のもとむら)」の文字が見え、村内にて掲示されたことがわかります。
高札は維持費がかかることや法改正の速度に設置が間に合わなくなるなど、様々な理由で明治7(1874)年に廃止されます。時代の大きな変換点ともいえる明治初期の野本地区の歴史を今に伝える貴重な歴史遺産です。

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