くらし 【特集】気になる羽生市の下水道事情~下水道管の点検を行いました~

令和7年1月28日に八潮市で発生した道路陥没事故を受け、市で実施した緊急点検の内容や下水道管の老朽化対策を紹介します。
※市内には、一般家庭や事業所などからの排水を流すための汚水管と、雨水を集めて川へ流すための雨水管との2種類の下水道管があります。本特集での下水道管は汚水管のことを示しています。

■下水道管の緊急点検を実施
八潮市での事故発生から3日後の1月31日、市は下水道管の本管を中心に点検・調査を実施し、マンホール内部の汚水の流れ具合や、下水道管が埋められた道路に大きなくぼみや亀裂がないかを目視で確認しました。調査の結果、本管部分での異常はありませんでした。
しかし枝管部分では、2カ所でマンホール付近に道路のくぼみを発見したため、2月5日に下水道管内部の緊急調査を実施しました。自走式の小型カメラを使い調査した結果、下水道管の内部に異常はなく、道路管理者に対応を引き継ぎました。

■羽生市の下水道と老朽化対策
市の下水道本管の整備は、昭和50年度から平成30年度まで行われ、一般家庭から接続している枝管は、現在も整備しています。排水された汚水は、最終処理場である水質浄化センターに集められ処理しています。
市内には本管と枝管を併せ約133kmの下水道管が存在し、本管は全長約11・6kmになります。また、管の大きさは最下流部の水質浄化センター付近が最大で、直径1・5mになります。
市では下水道管の老朽化対策として、令和3年度から計画的に点検・調査を実施しています。現在、本管の全長約11・6kmのうち、平成28年度以降に整備された新しい区間を除く約9・9kmの部分について、補修を含めて完了しています。
古くなった管は、内部で発生したガスや経年劣化により亀裂や破損、地下水の流入が起こります。放置すれば道路陥没など事故の原因となるため、今後も定期的に点検・調査を実施し清掃や補修を行うことで、下水道管の長寿命化を図ります。

・マンホールから覗き、管内を確認。汚水がマンホール内に溜まり、流れていない場合、異常があると判断します。
・管内の直径が80cm未満の場合、自走式の小型カメラを用いて内部を確認します。
・令和7年3月には、市内で最も大きい下水道管が埋まっている水質浄化センター付近の管内に調査員が入り、目視で点検・調査を実施しました。調査の結果、管内に異常はありませんでした。

■羽生市の下水道区域と本管の位置図
市の下水道は市街化区域内に整備され、人口に占める下水道利用者の割合は33.5%です(令和6年度末時点)。

◇下水道本管
整備時期:昭和50年度~平成30年度
直径:0.2m~1.5m
全長:約11.6km
・水質浄化センター付近の管が市内で最大の直径1.5m。写真は実際使われている管路と軽自動車を比較したものです。八潮市で破損した管路は直径4.75mです。

◇水質浄化センター
大沼工業団地内にある施設で、昭和61年度に使用開始しました。1日あたり約7,300立方メートル、約1万8,000人分の汚水を処理しています。
※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

■下水道管の補修方法
補修は道路を掘削せずに、マンホールから人や機械が管内に入る方法が一般的です。
(1)漏水箇所の止水
破損箇所や管の隙間から管内へ地下水の流入を防ぐため、管内の漏水箇所に補修機械を送り込み、止水材を注入し、浸透硬化させ止水します。
(2)石灰乳の除去
管内に流入した地下水に含まれている鉄分やカルシウム分が固まり、石灰乳が発生します。石灰乳は放置すると管を詰まらせるため、(1)同様の手法で管内に機械を送り込み、除去します。

■全国特別重点調査の実施
令和7年度、国の下水道管路の全国特別重点調査の要請を受け、下水道管の調査が全国的に行われます。調査の対象は、平成6年度以前に整備された直径2m以上の下水道管です。
本市では今回紹介した汚水管は該当しませんが、雨水管の一部区間に該当があるため、今年度に調査を行います。

■大切な下水道管を守ります
当社は平成21年度から、羽生市の下水道の維持管理に携わっています。管の詰まりが起きた場合の緊急の復旧対応や、各家庭からの汚水が集まる本管や枝管の点検及び修繕を行っています。直径80cm未満の管は、機械をマンホールから下水道管の中に入れ遠隔操作で作業を行いますが、直径80cm以上の大きな管は、マンホールから人が下水道管の中に入り直接作業します。管内は有毒ガスが発生し危険なため、上・下流側のマンホールから風を送り、常に換気するなどして作業員の安全を確保しています。
下水道管を長持ちさせるため、油や異物を流さないようご協力をお願いします。
三栄管理興業(株) 寺田雄一さん

問合せ:下水道課
【電話】内線555