くらし 〔特集〕日々の暮らしを守る 活躍する高年者

市内のあちこちで見かける、働く高年者の皆さん。
豊かな経験と確かな技術を活かして、こどもたちの学習支援や道路・公園の整備、会社の受付やスーパーでのレジ作業等、幅広い分野で活躍しており、地域にとって欠かせない存在です。
その中でも、今回はシルバー人材センターで活躍する方々にスポットを当てて紹介します。

◆働く高年者とまちの架け橋 シルバー人材センター
草加市シルバー人材センターは、企業や家庭、官公庁等から業務を受注し、高年者に働く場を提供している公益社団法人です。
高年者の生きがいづくりや地域社会の安定を支える、まさに縁の下の力持ち的存在です。平均年齢75歳、総勢2200人を超える会員の皆さんがいきいきと働き、年間5000件以上の仕事を受注しています。この広報紙も、多くの地域でシルバー人材センターの会員が配布しています。


受付事務、こども食堂の運営
さらによさこいサークルのリーダーまで、三刀流の活躍を見せる

旭町地区
加入歴11年
活動内容:獨協大学トレーニングルームの受付

◇また働きたいなと思った時に家に届いたチラシを見て
会社を定年退職してからしばらくたって、そろそろまた働きたいなと思っていた藤原さん。
家に届いたシルバー人材センターのチラシを見て興味を持ち、入会を決めました。

◇相手は自分の孫と同世代
現在は獨協大学にある学生向けトレーニングルームの受付をしています。離れて暮らす自分の孫も大学生なので、同じ年代の学生たちに「ありがとう。お疲れ様です」と声をかけてもらうのが何よりもうれしいそうです。

◇「いかに気持ちよく利用してもらうか」をいつも心がけて
前職は鉄道会社の販売窓口にいた藤原さんですが、その頃から「いかにお客様に気持ちよく利用してもらうか」をいつも心がけていたといいます。今の仕事も、「学生さん相手の接客業」だと考えていて、前職の経験が大いに活かされているそうです。学生たちの名前を一人でも多く暗記したりするなどして、積極的にコミュニケーションを取る努力も怠りません。「そうは言っても、なかなか覚えられないんですけどね(笑)」

◇こどもたちの笑顔や仲間との絆が元気の源
受付事務の他に、こども食堂「結び」と、よさこいサークル「銀翔」の両方で、リーダーとして活躍しています。こども食堂では毎回170個以上の弁当を中心となって作り、こどもたちに栄養と美味しさを届けています。よさこいサークルでは30人以上のメンバーをまとめ上げ、草加ふささら祭り等、様々な場所で踊りながら、11月には香川県で行われたシルバー人材センターの全国大会でも特別ゲストとして演舞を披露しました。


書道サークルの講師を務める最年長会員
毎週元気に、17人の生徒に書を指南する

西町地区
加入歴32年
活動内容:書道サークル講師

◇30歳で飛び込んだ書の道 気づけば70年の長い道のりに
元々自分の下手な字が嫌で、都営バスの運転手を勤めるかたわら、書道を習い始めたという亀島さん。日々の練習を欠かさなかった結果、師範の認定を受け、「亀島青崖」という雅号も得るまでに。シルバー入会後、公民館管理の仕事をしながら書道サークルを立ち上げ、公民館の仕事を卒業した今でも、講師として毎週生徒たちに書を教えています。講師歴は27年以上にも及びます。

◇日々の鍛錬と体調管理が何より大切
上達のコツは、うまく書けなくても気にせず、恥ずかしがらないこと、そして数枚でもいいから、とにかく毎日書くことだと亀島さんは語ります。自身も体調管理に気を配り、98歳になった今でも、日々の鍛錬を欠かしません。講師として休むことなく、変わらない毎日を送ることが最も大切なのだといいます。

◇サークル活動だけでも大丈夫 気楽に入会してほしい
健康長寿の秘けつは、決して世間から孤立しないこと。シルバーのサークル活動や教室に入って、誰かとつながることが一番だよ、と最年長会員である亀島さんは優しくほほえみます。


大手航空会社の元整備士
未経験の新しい仕事に挑む!

吉町地区
加入歴3年
活動内容:ふすま、障子、網戸の張替え

◇コロナ禍でストップした定年後の就職活動 声をかけてくれたのがシルバーだった
航空機の整備士一筋だった高橋さん。退職時期とコロナ禍が重なり、就職活動も満足にできず途方に暮れていた時、同じ町内の張替えチームのリーダーをしている会員から誘われて入会を決めました。誘い文句は「元整備士なら、手先は器用だろう?」だったとか。

◇未経験だった仕事は、難しく奥が深い
素材によってのりの濃度を変えたり、ほんの少しの空気も入らないようにする等、とにかく気を遣う張替えの仕事。細かい所まで徹底的に気を配り、作業のやり直しを固く戒められてきた前職での経験が活きています。

◇常に向上心を持って、お客様の期待にこたえること
難しい依頼も多いが、チーム全員で乗り越えることが一番のやりがいだといいます。納品した時、「きれいになったね」と言われるのが何よりの喜びだそうです。

◇まず話だけでも聞いてみて
シルバーにはいろんな仕事があるので、あなたに合う仕事もきっとあるはず。自身も未経験の世界に飛び込んだ高橋さんは、入会を迷っている人にそう呼びかけます。

◆取材を終えて
~住み慣れたまちで、明るく元気に働く~

今回の取材を通して、たくさんの高年者の方々からお話をお聞きしました。
どの方も自らの仕事に誇りややりがいを持ち、元気で明るく働いている姿が印象的でした。そして何よりも驚いたのは、その若々しさです。例えば、表紙の堀俊一さんは75歳。何歳になっても誰かと一緒に働き、誰かとつながることが、若さと健康の秘けつなのだと教えてもらった気がします。

◆話を聞いてみたい方は
まずはお気軽にお電話ください。
詳細はシルバー人材センターのHPでも。

問合せ:草加市シルバー人材センター
手代2-17-17
【電話】928-9211【FAX】928-9209