- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県北本市
- 広報紙名 : 広報きたもと 令和8年1月号
『鉄欠乏性貧血について』
提供:桶川北本伊奈地区医師会
■鉄欠乏性貧血って?
人体の各部位に酸素を運ぶのは赤血球です。酸素は赤血球中のヘモグロビンに付いて体内を巡ります。人体には3~5gの鉄がありますがその大部分はヘモグロビンの材料となります。寿命を終えた赤血球内の鉄はリサイクルされ、新しい赤血球の材料となります。ヘモグロビンの材料である鉄が不足すると酸素を運ぶ赤血球が作られなくなり、貧血となります。
■どんな人がなるの?
鉄の摂取量が少ない、鉄の吸収が悪い、出血があり鉄の喪失がある、妊娠中や思春期など体の鉄の需要が増える、などの理由で鉄欠乏となります。月経のある女性の1/3程は鉄欠乏の状態です。特に子宮筋腫など婦人科の疾患のある人で多くみられます。胃潰瘍、胃がん、大腸がんなどの消化管からの出血でも鉄欠乏となります。また、マラソン、ラグビーなど激しい運動を日常的に行なっている人も鉄欠乏となることがあります。
■鉄欠乏による症状
疲労感、だるさ、集中力・やる気がない、労作時の動悸・息切れ、爪がそり返る(さじ状爪)、味覚障害などです。ただし、貧血が長期間持続している場合は無症状のこともありますので、症状がなくても検診などで貧血を指摘されたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。
■治療
内服あるいは注射の鉄剤で体に鉄を補充します。内服の鉄剤では吐き気、下痢、便秘などの症状が出ることがあります。内服の鉄剤の副作用が問題となる場合は注射剤を使います。鉄剤を服用すると1ヶ月ほどで貧血は改善しますが、そこで治療をやめてしまうとまたすぐに貧血となってしまいます。血液検査でフェリチンという貯蔵鉄の数値を指標にして治療のゴールを決めますが、通常は半年以上の内服継続が必要です。鉄剤の内服で便は黒くなりますが特に心配ありません。鉄を多く含む食品(レバー・小松菜・干し大根等)をビタミンCを多く含む食品(柑橘類等)と一緒に摂取すると鉄の吸収率も高まります。
