- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県八潮市
- 広報紙名 : 広報やしお 令和7年12月号
昭和20年のクリスマスは、終戦後初めてのクリスマスであり、日本にとって特別な意味を持つ日でした。沖縄では、戦没者を追悼し、復興を誓う演芸大会が開かれ、長崎で原爆投下により倒壊した浦上天主堂の瓦礫の下から掘り出された鐘が鳴り響き、平和への希望を願い、さらに日本国憲法の制定に向け、男女平等の条項が盛り込まれた素案が提出されたのも、この日でした。
あなたは、日本国憲法に「男女平等」を書いた一人の女性を知っていますか。
終戦後、GHQの民政局に赴任し、22歳という若さで日本国憲法の草案作成に参加したオーストリア出身のユダヤ人女性、「ベアテ・シロタ・ゴードン」が、その人物です。ベアテはピアニストだった両親とともに日本で幼少期を過ごし、米国留学中は敵国の者として過ごしました。両親は戦争中に抑留され、終戦後、日本で両親と再会しました。10年近く日本で過ごし、米国で女性差別を受けた彼女は、当時の日本女性の生活や風習を認識し、新しい憲法に男女平等や女性の権利を盛り込み、女性の地位向上の理念を持って素案作りに励みました。
この一人の女性の提案により、女性の社会進出が進み、性別にとらわれない多様な人生を選択できる新たな社会の実現に向って少しずつ走りだしました。その後、日本人女性は参政権を獲得し、女性の権利と人権、学問の自由を得ることになったのです。
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